ジャパンネット銀行(現PayPay銀行)は、情報系システムの基盤を刷新するプロジェクトに着手し、2016年4月の本格運用を目指す。サーバーやストレージ製品を提供する富士通が2015年7月16日に発表した
更改の対象とするのは、顧客データベース「MCIF(Marketing Customer Information File)」を中核とする情報系システムのIT基盤。顧客一人ひとりに最適な提案をするため、過去の取引履歴を参照してマーケティング施策を立案するのに使う。取引量や収益性といった経営上のKPI(重要業績指標)を集計したり、不正や疑わしい取引をモニタリングしたりするといった用途にも対応する。
近年、顧客数が増加しているのを受け、レスポンスの向上が課題となっていた。また、今後は複雑な分析手法の導入することも想定しており、それに耐えうるパフォーマンスを必要としていた。
新基盤の主要な構成要素は、富士通のUNIXサーバー「SPARC M10」とディスクストレージ「ETERNUS DX200 S3」。データベースにはOracle Database 12cを採用し、インメモリー処理をするためオプションの「Oracle Database In-Memory」を付加する。
SPARC M10には、一般的にはソフトウェアが担う10進浮動小数点演算/SIMD(1度に複数のデータに対して実施する演算処理)/暗号処理などをハードウェア(プロセサ)で実行する機能「Software on Chip」が備わる。この機能が、Oracle Database 12c/Oracle Database In-Memoryで有効になることから、レスポンスの大幅な向上が見込める。従来の情報系システムと比較し、預金者の過去の取引状況などの情報検索時間を、最大300分の1まで短縮できると想定している。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | ジャパンネット銀行 |
事業内容 | 金融 |
導入システム | 情報系システムの基盤刷新 |
導入目的 | パフォーマンス改善 |
主な利用製品 | UNIXサーバー「SPARC M10」/ディスクストレージ「ETERNUS DX200 S3」(富士通)、「Oracle Database 12c」(Oracle) |