クラウド環境で利用しているCRMやオフィスソフトから社内の情報システムが持つデータにアクセスしたい−−。クラウドサービスの利用が広がるにつれ、顕在化するニーズの1つだ。それに対応するべく、インフォマティカ・ジャパンが同社のデータ連携用ソフトウェア製品をサービスとして提供することを発表した。純粋のクラウドサービスではなくハイブリッド型で展開することで、データにまつわる利用企業の懸念を払拭する。
Salesforce.comのユーザー向け機能を充実
連携可能な外部のクラウドサービスは、オンプレミスでの実績があるベンダーだけに多彩だ。図2では分かりにくいが、欧米のサービスを中心に125の連携アダプターを用意する。ほぼすべてが欧米のサービス向けだが「日本のクラウド事業者とも、アダプターの開発に向けた議論を開始している」(インフォマティカ・ジャパンの久國淳氏)という。
図2:Informatica Cloudが用意する連携用アダプターの例拡大画像表示
サービス開始の発表会で特に強調したのが、業務システムとSalesforce.comとの連携。「ITの知識がない担当者がセルフサービスでデータ連携を定義し、実行するためのウィザードやテンプレートを用意した」(久國氏)。定義が完了すれば、例えば、Salesforce CRMの画面に連携先システムのデータを取り込むタブが表示されるようになり、営業担当者は連携を意識せずに処理ができるようになる。
米Salesforce.comが最近力を入れるBI(Business Intelligence)ツールのクラウドサービス「Wave Analytics」で利用すれば、図3に示すようにWaveから独SAPのERP(Enterprise Resource Planning)システムや米Oracleのデータベースにアクセスできる。発表会同席したセールスフォース・ドットコムの保科実 執行役員は、「日本でも当社のユーザー、特に大規模ユーザーにおけるInformaticaの利用例は多い。Informatica Cloudは大歓迎だ」と話す。
図3:米Salesforce.comのBI(Business Intelligence)ツール「Wave Analytics」との連携拡大画像表示
まるでSalesforce.comのための仕組みのようだが、それは半分正しい。「当社の会長であるSohaib AbbasiとSalesforce.comのCEOであるMarc Benioff氏は元々、米Oracleの同僚。その縁でSalesforce.comからSaaSとオンプレミスのデータ連携について相談を受けたのがInformatica Cloudの始まり」(吉田社長)だ。また2015年に入り、InformaticaがMBO(Management Buy Out:経営陣による買収)を実施した際、Salesforce.comも出資している。
Informatica Cloudではまず、データ連携・統合のサービスだけを提供する。利用料金は、前記したように月額14万5000円から(Secure Agentサーバー用のハードウェアは含まない)。その後は、データのクレンジングや重複排除、MDMなど複数のサービスを提供する予定だ。
ただしユーザー企業にとっての選択肢、つまりインフォマティカにとっての競合は多い。日本勢では、インフォテリアやアプレッソのEAI(Enterprise Application Integration)製品/サービスがある。海外勢では米デルが買収して販売するBoomiや、米IBMのCastIron、独ソフトウェアAGのWebMethodといったあたりも競合になる。データ統合は地味な分野だが、MDMやデータガバナンスにつながっているだけに、企業はしっかり選定する必要があるだろう。
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