テレコム業界で導入が先行する課金システムですが、他業界でもサービス化が進む中で課金システムの重要性が増しています。前回は、急速に広がったソーシャルメディアが課金システムに与える影響を考えました。今回は、テレコミュニケーションにおける技術革新が課金システムに与える影響を考えます。
テレコミュニケーションにおける技術革新により、携帯デバイスやウェアラブルデバイスでもインターネットが使えることが当たり前になりました。それに伴って、顧客の要求も膨らんでいます。さらに、ネットワークを介して各種のサービスを提供するOTT(Over the Top)プレイヤーが、テレコミュニケーションの領域に進出してきたことにより、市場の収入モデルは大きく変化しました。
これまで、通信サービス事業者(CSP:Communication Service Provider)は提供するサービスそのもので収入を得てきました。しかしOTTプレイヤーは、アプリ内広告や音楽のオンデマンド課金など、通信サービス事業者が想定していなかったビジネスモデルで収入を得ています。
デジタル時代のトレンドは、さほど新しくはない
ここで、通信サービス事業者に危機をもたらすような重要トレンドをリストアップしてみましょう。
スマートデバイス:初代iPhone(2007年)の登場によって始まった、いわゆるスマートフォンの台頭はとても革新的でした。ゲームからオンラインバンキングに至る数多くのアプリケーションが出現し、今や従来型の携帯電話(フィーチャーフォン)のほとんどがスマートフォンに置き換わろうとしています。
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