IoT(Internet of Things)では、様々な端末がネットワークとつながることになる。その際の、数百億とも数千億ともいわれるIoTデバイスの中には、単にセンサーを積んだだけのものではなく、ソフトを搭載した「スマート」な家電や業務端末などが含まれる。IoTデバイスに搭載されるのは、PCなどに搭載されているものとは異なる「組み込みソフト」だ。マイクロソフトは2015年8月にIoT向けOSの「Windows 10 IoT」を発表しているが、2015年11月17日、国内では初めてその詳細が明らかにされた。
Windows 10 IoTは、PC向けOSであるWindows 10の組込み版となるもので、Windows Embededシリーズの後継に位置づけられている。搭載デバイスは業務用のタブレットからPOS端末、ATM、キオスク端末、スマート家電まで幅広いが、適用デバイスに応じて3つのエディションが用意されている。
(図)Windows 10 IoT エディションの比較(出所:日本マイクロソフト)拡大画像表示
Windows 10 IoT Enterpriseは、ATMやPOS端末などを対象とした通常のWindows 10に最も近いエディション。x86プロセッサで動作し、PCと同じ配布、管理、アップデートが可能となっている。また、Microsoft Passport、BitLocker、Device Guardなど高度なセキュリティ機能を備えている。デバイスに、特定の機能以外を実行できなくするデバイスロックダウン機能も搭載している。
Windows 10 IoT Mobile Enterpriseは、スマートフォンやタブレットで用いられているWindows 10 Mobileに近いエディション。こちらはARMプロセッサで動作し、モバイルPOSやヘルスケア、配送業務などで用いられる小型業務端末などが主な対象となっている。Enterprise同様、デバイスロックダウン機能に対応している。
Windows 10 IoT Core/Core Proは、もっとも小さいサイズのエディションだ。x86、ARM双方のプロセッサで動作し、小型のIoTゲートウェイからスマートホーム、スマートビルディングなどの制御製品にも対応する。Raspberry PiやMinnowBoard Maxなどのマイクロコンピューターもサポートしている。
IoTでは、これら異なるエディションを搭載した機器やサーバー、PC、タブレットなどを複合的に利用することになる可能性もあるが、Windows 10 IoTは「UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリ」をサポートしている。UWPアプリとは、Windows 10が稼働するすべてのデバイスに共通のプラットフォームを提供するものだ。エディションが異なっても同じ環境で開発できるため、開発スキルの再利用が可能になり、ROI(投資対効果)が上がるという考え方だ。
IoTには、機器間連携を可能にするための様々な規格が登場しており、それぞれに開発、普及を進めているが、Windows 10 IoTは、そのうちのひとつである「AllJoyn」をインプリした。AllJoynは、チップメーカーであるクアルコムが中心となって設立したIoTの標準化団体「AllSeen Alliance」が推進する標準規格。同種の規格としては、携帯向けチップでクアルコムと競合するインテルが立ち上げた団体「OIC(Open Interconnect Cosortium)」の「IoTivity」などがある。
AllJoynへの対応により、Windows 10 IoTを搭載したデバイスは、プロトコルやエコシステムなどの枠組みを超えて非ウィンドウズデバイスとも連携して動作できるようになる。
Microsoft / Windows 10 IoT / 組み込み / エッジコンピューティング / Windows 10
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