[新製品・サービス]

米国でリテール1位を記録したセキュリティソフト―ウェブルートの強さの秘密は

2015年12月15日(火)杉田 悟(IT Leaders編集部)

日本でエンドポイントのウイルス対策ソフトといえば、トレンドマイクロやシマンテックのノートン、マカフィーなどが長年上位を占めてきた。マーケットが固定化され、新規参入が容易ではないイメージが強い。しかし米国のリテール(小売り)市場で急成長を果たし、2013年にはトップに上り詰めたセキュリティソフトベンダーがある。それがウェブルートだ。その勢いは世界的なものとなっており、いずれ日本にもやってくる可能性がある。

 

サポートを製品に組込みスピード対応を実現

 ウェブルートの顧客満足度は96.5%と非常に高い。その秘密の一端がサポートにある。製品サポートといえば電話やメールで連絡を取り合うのが一般的だ。SecureAnywhereの場合、製品自体にサポート機能が組み込まれている。つまり、SecureAnywhereのインターフェースから直接サポートに連絡を入れることができる。

 サポートに連絡を入れたユーザーのログを瞬時にクラウドに送り、世界中に配置されているサポートメンバーの誰かがピックアップ、そのログから回答を導き出して回答する。サポートに連絡してから回答までの平均所要時間は10分以内だという。また、問題が個人に拠らない場合、製品自体の問題として全ユーザーの製品を修復できるというメリットもある。

 エンタープライズ向け製品の最近のマーケット状況を見ると、「特に中小企業の伸びが高い」とWilliams氏はいう。これもクラウドサービスの特徴だが、ユーザー規模に拠らず同一のプラットフォームから提供されているため、中小企業でも大手企業とほぼ同じ機能を利用することができる。

 それでは、大企業にとってのメリットは何か。それは、導入スピードの速さだ。例えば、通常1年以上はかかるという38万3000個のエンドポイントに導入するプロジェクト。ウェブルートはこれを3カ月で成し遂げたそうだ。

 また、近年セキュリティ対策が不安視されるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)へのアプローチも強めている。小さいエージェントソフトで高いパフォーマンスを実現するという特徴を活かして、「組込みを含む色々なレベルでの活用が可能」とIoT担当副社長のJohn Sirianni氏はいう。

 現在ウェブルートが狙っているのは、ゲートウェイとセンサー、コマンド用のコントロールセンターだ。この「コマンド&コントロールセンター」エリアがウェブルートのストロングポイントと自認している。「この小さいサブセットにビジネスがある」と、そのターゲットを示している。

 すでに米国などではビジネスinしているIoT分野のセキュリティ対策だが、日本での対応発表は2016年初頭に先延ばしした。Williams氏は「エンタープライズ市場での成長エンジンはIoT」と断言しており、日本でのビジネスについても意欲を示している。パートナーとの連携も進んでいるが、「マーケットの規模を考えた場合、サポート人員が不足している」ことが、日本での展開を先延ばしした理由のひとつとなっている。

 現在、サイバーセキュリティ、リアルタイムコンピューター、ネットワーク、組込みシステムの知識を持つIoTサポート人員を探しているところだという。これらの人員を強化したうえで、日本でのIoT向けビジネスの本格展開を開始するという。

関連記事

トピックス

[Sponsored]

米国でリテール1位を記録したセキュリティソフト―ウェブルートの強さの秘密は [ 2/2 ] 日本でエンドポイントのウイルス対策ソフトといえば、トレンドマイクロやシマンテックのノートン、マカフィーなどが長年上位を占めてきた。マーケットが固定化され、新規参入が容易ではないイメージが強い。しかし米国のリテール(小売り)市場で急成長を果たし、2013年にはトップに上り詰めたセキュリティソフトベンダーがある。それがウェブルートだ。その勢いは世界的なものとなっており、いずれ日本にもやってくる可能性がある。

PAGE TOP