前回は、『全体俯瞰』のうち、導入フェーズに特に有効な手法の1つであるPgM(プログラムマネジメント)について解説した。まだまだ身近なマネジメント領域ではないが、プロジェクトマネジメントより上から俯瞰する本質とPgMプロセス導入時に肝となる部分はお伝えできたはずだ。今回は、『全体俯瞰』のうち、保守運用フェーズに特に有効な手法の一つであるSLM(サービスレベルマネジメント)について解説する。
IT部門がビジネスへ貢献していくために
IT部門が担う3つの領域(企画・導入・保守運用)のうち、保守運用は現在進行中の業務に直結する重要な役割である。そこで、IT部門はベンダーの前面に立ち、保守運用チームを先導し、全てのタスクにおいて責任を持って対応しがちである。しかしながら、これは間違いである。ITの領域ごとに専門性を持つベンダーと同等のITスキルを身に付け、全てのタスクをこなそうとすると“飛び出す”ための時間が足りなくなってしまうからだ。
では、どうするのか。保守運用するシステムが提供するサービスを対象に、それを利用するお客様(ユーザー/カスタマー)※注1 視点でIT部門がビジネスへ貢献していけるようになるための目標を定義し、その目標を達成し続ける仕組み・管理プロセスを構築するのである。その手法がSLM(サービスレベルマネジメント)だ。
※注1 IT部門から見たお客様とはシステムを利用する現場(ユーザー)であり、システムオーナーとなる経営者(カスタマー)でもある。
SLMは、保守運用の現場ではよく耳にするかもしれないが、実は非常に奥が深いため、再度その意味をじっくりと理解して頂きたい。
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