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[飛び出せ!IT部門]

サービスデスクの重要性

【第3回】

2015年9月9日(水)加藤 克則(アビームコンサルティング) 佐藤 雅之(アビームコンサルティング)

前回は、「あなたが今、踏み出すべき一歩を考える」と題して、『接点強化』の具体策として、IT部門のコミュニケーションレベルを定義し、次のステージに上がるためのTipsを解説した。IT部門が「カスタマーである経営層」や「ユーザーである業務部門」と積極的にコミュニケーションを取ることでIT部門の活躍の幅が広がっていくことを理解いただけたと思う。今回は、ユーザー部門との『接点強化』を実現するもう一つの要因となりうる、IT部門のサービスデスク機能を強化・活用し、「ビジネス貢献できる企画のタネ」を集め、「攻めのIT」施策の提案・実行に繋げる考え方を解説する。

図1 接点強化施策「PUSH型/PULL型」
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 ITは日々進化を続けている。「企画のタネ」を手に入れることでIT部門が活躍できる場面は数多く存在する。また、経済産業省が“攻めのIT経営銘柄”18社を発表するなど、ITを活用した企業経営に期待が高まる中、「攻めのIT」へのシフトは遅れが許されない状況にある。しかしながら、ユーザー部門の声を次の活動に活用することは非常に重要なことにも関わらず、どの企業も十分できているとは言い難い。

 接点強化施策は「PUSH型」と「PULL型」に分類でき、前回紹介したIT部門とユーザー部門のコミュニケーションレベルの強化による『接点強化』は、PUSH型に位置付けられる(図1)。今回は、PULL型としてサービスデスク機能に着目。日々集まるユーザーの声を有益なものに昇華し、活用するための施策を解説する。

目指すべきサービスデスクとは

 “一般的な”問い合わせ窓口に寄せられる情報は、「質問」や「苦情」などのインシデントが多く、「企画のタネ」は含まれない。しかし、“信頼される”サービスデスクには、改善要望や相談事が寄せられる。これらの情報を通じ、「ビジネス貢献できる企画のタネ」を拾うことができるのである。

 あなたの会社のサービスデスクには、ユーザーからの相談事は届いているだろうか。相談事とは、表面化した問題の検討やすでに企画化された案件ではなく、ユーザー部門の業務改善につながるIT企画の相談事である。多くの場合「稀である」と答えることになるだろう。

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