[新製品・サービス]

TIS、産業機械の生産性を向上させるIoT製品を提供

2016年1月26日(火)IT Leaders編集部

ITホールディングスグループのTISは2016年1月25日、産業機械から取得した稼働データを分析することで故障要因などを導き出し、歩留率の向上やメンテナンス工数の削減など、生産性向上を短期間、低コストで可能にするIoT(Internet of Things:モノのインターネット)製品「メンテりてぃくす」の提供を開始すると発表した。

 「メンテりてぃくす」は、ITホールディングスのグループ会社であるクオリカが提供する遠隔監視・予防保全システム「CareQube(ケア・キューブ)」などで産業機械から収集、蓄積した稼働データを、独SAPのBIツール「BusinessObjects BIソリューション」とデータマイニングツール「Predictive Analytics」で分析、解析する。

 産業機械の稼働データを解析し、「蓄積データから業務に影響を与える要因を特定する故障発生パターン導出」や「生産品の不良原因分析」など、稼働データの予測分析を可能にする。産業機械などの故障要因や製造ラインで生産される製品の不良原因などの予測や特定ができ、生産設備の歩留率の向上やメンテナンス工数の削減を図れる。産業機械メーカーでは、製品導入後のアフターサービス領域での効率化や収益性向上に活用できる。

 メニューには、導入効果測定(PoC:Proof of Concept)サービス、データ取込クレンジングサービス、稼働実績可視化サービス、要因分析サービス、故障予測監視サービスを用意している。

 導入効果測定サービスは、ユースケースの確認とヒアリングにより課題抽出や仮説を明確化し、蓄積されているデータを使って分析作業を実施する。分析結果を報告して、効果測定とその後の進め方の提案をする。

 データ取込クレンジングサービスは、分析したい粒度や目的に合わせ、元システムから連携されるデータを「SAP DataServices」によりクレンジングする。分析対象を絞り込み、分析に必要なデータレイアウトに整備することで分析精度を向上させる。

 稼働実績可視化サービスは、稼働データなどを様々な切り口でビジュアル化できるBI基盤「BusinessObjects BIソリューション」を提供する。稼働実績などを把握し、起きている事象を捉えられるようにする。

 要因分析サービスは、稼働データを「Predictive Analytics」の分析テンプレートで解析し、故障や不良の原因を分析する。センサーから収集する多種類データの相関分析で、原因となる可能性の高い要素を自動的に導き出し、その結果を報告書として提供する。

 故障予測監視サービスは、要因分析サービスで導いた要因を活用して、設備稼働データをリアルタイムに監視しメールなどで警告情報を提供する仕組みを構築する。製造ライン停止や故障などが起きる前に通知できるため、事前に対策を実施できるようになる。

メンテりてぃくすの価格は、導入効果測定サービス(1カ月から)、導入コンサルティングおよび導入作業がそれぞれ個別見積。その他のサービスは、オンプレミス型が2000万円(税別、以下同様)から、SaaS(Software as a Service)型が月額100万円から。

 TISは、組立製造業や生産設備メーカー、化学製造業、特殊車両メーカーなどを中心に展開し、2020年までに約20億円のビジネス規模にすることを目標にする。

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