2016年4月の3本:熊本地震でITは有効活用されたか/オラクルが“クラウドマシン”を投入/ブラウザのシェアで首位交代
2016年5月10日(火)松岡 功(ジャーナリスト)
2016年4月のニュースから松岡功が選んだのは、「熊本地震でITは有効活用されたか」「日本オラクルが“クラウドマシン”を投入」「ブラウザシェアで20年ぶりに首位交代」の3本である。
熊本地震でITは有効活用されたか
熊本県で2016年4月14日、震度7の地震が発生し、その後も大分県を含め地震が群発、余震が続く中で懸命の復旧活動が続けられている。そうした中で、通信キャリアをはじめとしたIT関連事業者は、安否確認ツールや災害情報、ライフラインに関する情報、各社のコミュニケーションツールなどを迅速に提供し、被災者の支援にあたった。
インターネット上には、数多くの関連コミュニティサイトが立ち上がっている。例えば、SNS(Social Network Service)ユーザーが協力して立ち上げたサイトでは、行政やメディア、SNSなどから収集した情報をGoogle Mapに記載し、避難場所や炊き出し場所、救援物資の集積地点などを確認できるようにした。欲しいものや困っていることなど被災者の生の声もSNSを通じて収集して同時に掲載した。
[選択理由]
大災害においては、とりわけ初動対応が重要となる。そこにITを有効活用できる部分もあるはずだ。この点について、ITに携わる人たち全てに考えてもらいたいと思ったからだ。ただITを生かすためには、その“態勢”づくりが不可欠だ。そうした観点から、今回の熊本地震の初動対応を教訓としたい。
熊本地震が発生して数日間、県庁などには救援物資が山積みになり、そこから被災者には届かない「ラストワンマイル」の壁が今回も立ちふさがった。過去の災害でも繰り返された光景だ。こうした事態に陥るのは、初動時においては避難場所などの状況がなかなか把握できないからである。ただし、それを被災した自治体に求めるのは無理がある。
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