伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と安川情報システムは2016年10月4日、独SAPの次世代ERP「SAP S/4HANA」の包括的なクラウドサービスの提供を開始した。安川情報システムのアプリケーションサポートサービスと、CTCの基幹系特化型クラウドサービスを併せて提供する。そのために両社は協業する。
発表した「SAP S/4HANA」の包括的なクラウドサービスでは、基幹系システムの運用支援を目的とした安川情報システムの「グローバルサービスセンター(GSC)」サービスと、CTCが提供する基幹系特化型クラウドサービス「CUVICmc2」を組み合わせて、インフラからS/4HANAの運用サポートまでを提供する。
ユーザーはS/4HANAをクラウドサービスで利用する際に、インフラやアプリケーションへの投資コストを抑制しつつ、システム運用のアウトソースができるようになる。
GSCでは、安川情報システムの基幹系システムの構築・運用ノウハウを活かし、ユーザー企業の基幹系システムに関して、アプリケーションの稼働監視やヘルプデスクを提供する。SAPのソフトウェアに関しては、主に製造業向けにSAP ERPの移行や既存システムとの連携サービスも提供しており、SAP認定コンサルタントがS/4HANA運用を支援する。
CUVICmc2は、SAP製品をはじめとするミッションクリティカルなシステムに特化したクラウドサービスである。性能に対する保証・優れたセキュリティ・実使用量による従量課金を提供する。オンプレミスと比べてコストの削減を図れるとともに、ミッションクリティカルな業務に対応できる堅牢性と安全性を備えている。CTCは、欧SAPのサービスプロバイダー認定「SAP Certified in Hosting Services」と「SAP Certified in Cloud Services」も取得している。
CTCと安川情報システムは両社で連携してサービスを展開し、1年間で10社への提供を目標にする。