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[イベントレポート]

デジタル変革期に注目すべきテクノロジーとクラウド/データセンターの「進化の方向」

クラウド&データセンターコンファレンス2016-17 オープニング基調講演レポート

2017年1月19日(木)伊藤 秀樹(フリーランスライター)

デジタルビジネス時代に、市場での生き残りをかけた企業の取り組みを文字どおり支えるITインフラ。その構築にあたるIT部門は、先を見据えて最新のテクノロジーを取り入れたデータセンターやクラウド基盤を選ぶ必要がある。先般、東京都内で開催されたクラウド&データセンターコンファレンス2016-17(主催:インプレス)のオープニング基調講演に、Publickeyブロガー・イン・チーフの新野淳一氏が登壇。デジタルビジネスを加速するテクノロジーとITインフラを形成するテクノロジーの最新トレンドを紹介しながら、デジタル変革期にデータセンターとクラウド基盤が向かう方向を示した。

ソフトウェアの進化にもいち早い対応が不可欠

 新野氏は、ソフトウェアにおける進化トレンドに話題を移し、従来の仮想化からDockerに代表されるコンテナ型仮想化への移行が進んでいることを挙げた。コンテナ型仮想化は、起動済みのOSでアプリケーションが稼働するユーザー空間のみを切り出して提供するため、軽量かつ高速で起動できる。

 また、簡単にパッケージ化できるのも特徴だ。「開発者が自分のノートPCにあるDockerコンテナ上で開発したアプリケーションをパッケージ化、クラウド上にアップすることで、迅速な運用、テスト環境の構築も実現できる」(新野氏)。コンテナ型仮想化は、マイクロソフトやヴイエムウェア、AWS、グーグルなど多くのソフトウェア/クラウドベンダーから支持されており、今後、この技術を用いたサービスの登場が予想される。

 複数のサービスをAPIで疎結合させたシステムであるマイクロサービス(Microservices)にも注目が集まっていると新野氏は述べ、次のように説明した。「マイクロサービスは、アマゾンのEC基盤としても利用されているが、かつて1つの巨大なECアプリケーションだったアマゾンのインフラに対して、システム拡張や変更における柔軟性をもたらすために導入された。実際、巨大なクラウドアプリケーションを構築するのではなく、マイクロサービス化していく流れがブームとなっている」

 マイクロサービスと同様に注目されているのがサーバーレスコンピューティングだ。AWSが2014年に発表した「AWS Lambda」が普及のきっかけで、プログラムやユーザーの操作に応答してコードを実行するイベントドリブンを特徴とする(図3)。

図3:サーバーレスコンピューティングの仕組み(出典:Publickey)

 「従来のクラウドアプリケーションは、稼働中ずっと課金されていたが、サーバーレスコンピューティングは実行時にのみコストが発生する。これにより、クラウドの利用コストが1ケタ以上削減できると大きな期待が寄せられている」(新野氏)

 また、サーバーレスコンピューティングは、性能が不足すると自動的にスケールするので従来のようなサーバー管理が不要であるほか、イベントの発生ごとに新規起動するため、従来のアプリケーションと比較して安定性が高いというメリットも持つ。そうしたメリットを伝えるのに、新野氏は日本経済新聞の事例を紹介した。

 同社は、サーバーレスコンピューティングを採用して、スマートフォンやタブレットで紙面を閲覧可能なモバイルアプリケーションを構築。コストと運用負荷が大幅に抑制できたほか、特にシステム障害も発生していないという。このサーバーレスコンピューティングは現在のところ、AWSが先行しているが、マイクロソフト、グーグル、IBMも2016年中にサービスを展開予定と報じられている。

 「こうしてソフトウェア面でも大きなテクノロジーの進化が見られるが、従来のアプリケーションとアーキテクチャが大きく異なるため、実際の活用に際しては全面的なコード刷新が必要だ。そうした対応の可否が、クラウドをより安価に便利に活用できるかの分かれ目となる」(新野氏)

 ベンダー側には、そうした対応を支援できるかが問われている。新野氏は、「クラウドの黎明期にも『本当に使えるのか』『どんな人材やスキルが必要なのか』といった議論が行われた。そうした壁を乗り越えた企業が、現在、クラウドのメリットを享受している。同様に、ハード/ソフトウェアの進化に対して柔軟に対応可能な組織、人材を整備することが、新しいクラウドのメリットをいち早く取り込むためのカギとなる」と語って講演を締めくくった。

(データセンター完全ガイド)

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CPU / サーバー / ストレージ / FPGA / AWS / HPE / Intel

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