イスラエルMagic Software Enterprises(MSE)の日本法人であるマジックソフトウェア・ジャパンは2017年11月8日、RAD(高速開発)ソフト「Magic xpa」の事例の1つとして、お茶漬け海苔などを製造・販売する食品メーカーの永谷園が「賞味期限確認システム」を同社の茨城工場に導入したと発表した。
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マジックソフトウェア・ジャパンの「Magic xpa」は、アプリケーションやデータベースの雛形をノンプログラミングで作成できるRAD(高速開発)ソフトである。
他の言語からの移植を支援するツールを提供するなど、既存のアプリケーションを作り直す用途にも適する。開発したアプリケーションは、PCやスマートフォンなど複数の動作環境で動く。
永谷園が開発した「賞味期限確認システム」は、大袋、化粧箱、出荷用段ボール箱に付けられたバーコードをiPadで読み取る。さらに、印字された賞味期限日付をカメラで撮影してOCR(光学文字認識)ソフトに渡すことで、賞味期限の日付を抽出する。
基幹システムの商品マスターに登録してある賞味期限の日付と、生産工場を表す記号を、自動的にチェックする。これにより、賞味期限の印字ミスを防止する。OCR機能としてパナソニック ソリューションテクノロジーの「活字認識ライブラリー」を採用し、Magic xpaで開発したアプリケーションに組み込んだ。
従来は、印字してある賞味期限を管理表に切り張りし、1文字ずつ目で確認していた。このため、作業効率が悪く、人為的ミスが発生するリスクもあった。また、問い合わせがあると、管理表を一枚一枚探す必要があった。賞味期限システムの導入によって、作業効率の向上や作業ミスの防止、履歴のトレースが可能になった。
システム開発を担当したSIベンダーは、奏風システムズである。奏風システムズと永谷園の最初の打ち合わせから1週間でプロトタイプをクラウド上に作成したとしている。永谷園の茨城工場のユーザーは、実際にiPadの画面を見て現場で試しながら要望を奏風システムズに伝えることができたので、やりたいことをシステムに反映できたという。3回程度の修正を繰り返し、3カ月後にはシステムの運用を開始した。