NECは2017年11月13日、SDN(ソフトウェア定義型ネットワーク)を活用して関西テレビ放送の局内ネットワーク基盤を構築したと発表した。構築期間は半年で、2017年2月に稼働を開始した。設計・構築を担当したSIベンダーはNECネッツエスアイ。
NECのSDN製品群「UNIVERGE PFシリーズ」を導入した。SDNコントローラ2台、SDNスイッチ50台、エッジスイッチ40台などで構成する。SDNスイッチの設定をSDNコントローラから一元的に変更できるので、急な特番編成などによる新しいネットワークの追加作業を、運用委託業者に依頼することなく、局員自身で簡単に行えるようになった。
拡大画像表示
SDNコントローラは、日本語のGUI画面を備える。ネットワークの物理構成と論理構成、通信状態(トラフィックの流れや障害箇所)を把握できるので、障害が発生した際にも迅速に対応できるという。ネットワークの運用性が向上し、コストが減り、属人化のリスクも減ったとしている。
今回のネットワーク構築では、大きく「情報系」と「放送系」に区分されている局内ネットワークのうち、まずインフラの更新タイミングとなっていた「情報系」基幹ネットワークをSDNで刷新した。これにより、ネットワーク機器の設定変更や拡張を柔軟にできるようにしたほか、局員の管理負荷を軽減した。将来的には、ファイルベースでの作業化が進む「放送系」ネットワーク群の取り込みも模索している。
なお、UNIVERGE PFシリーズは、OpenFlow方式を採用したSDN製品である。OpenFlowは、通信の当事者情報(あて先と送信元のMAC/IPアドレスやポート番号)と、利用しているアプリケーションの組み合わせ一式を「フロー」と見なし、このフローごとに通信経路や品質を制御する。