[新製品・サービス]

富士通、AIをさまざまな業種に活用する提案型サービスを全17種にメニュー化

2017年11月17日(金)IT Leaders編集部

富士通は2017年11月16日、人工知能(AI)に関する技術・製品・サービス群を体系化した「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を各種の業種・業務に適用するための提案型サービスを、17種のメニューとして発表、同日提供を開始した。

 全17種の提案型サービスは、AI活用に関する約600件の商談を通じて明確になったユーザー企業の課題をカテゴリ化し、解決に向けたAIの活用例と、それらを支援するZinraiの技術・製品・サービスを提案するものである。

 メニューでは、導入効果や提供価格の目安をあわせて提示する。これによりユーザー企業は、業務へのAI活用を、より具体的にイメージできるようになる。

 製品提供の背景について同社は、各種の業種業界のユーザー企業から、「AIで何が実現できるのか?」「自社の課題がAIで解決できるのか?」「AIを適用するのにどれくらいのコスト、時間がかかるのか?」といった声が多く寄せられており、ユーザー企業の中でAIの活用シーンがまだ具現化されていないことを挙げている。

 具体的な活用シーンの1つめは、ディープラーニングによる製造品の異常検知である。主に製造業のユーザーを対象に、生産ラインを流れる製造品の異常検知作業の標準化・効率化を支援する。「FUJITSU Cloud Service K5 Zinraiプラットフォームサービス Zinraiディープラーニング」による画像認識の技術を活用し、正常品の画像だけを学習させ、欠陥品を自動的に検知する価格の目安は、導入前検証が200万円から。本番環境への導入は個別見積もり。

 具体的な活用シーンの2つめは、研究開発における関連文書をまとめて検索する用途である。主に研究開発に携わる部門に対して、関連する技術情報を含んだ大量の文書から、漏れなく、効率的に検索するために、Zinraiの専門分野別意味検索APIを活用して大量かつ様々な文書群を自動で情報整理する。価格の目安は、初期費用が1000万円から。

表1:業務へのAI活用における主なメニュー
活用領域 活用シーン Zinraiの技術
ナレッジ活用 窓口業務における疑問点の検索 専門知識を平易な言葉で検索
調査時間の短縮や労力を削減
専門分野別意味検索
ナレッジ活用 研究/開発における関連文書検索 関連文書をまとめて検索
必要な情報の抜け、漏れを防止
専門分野別意味検索
ナレッジ活用 営業活動での顧客情報検索 企業や地域の情報を自動で整理
顧客理解のための時間を短縮
企業情報検索
コールセンター・問い合わせ窓口 オペレーター支援 AIでコールセンターのオペレーターを支援 FAQ検索
コールセンター・問い合わせ窓口 オペレーター教育 Zinraiが顧客満足度を可視化
応対品質の改善を支援
感情認識
コールセンター・問い合わせ窓口 顧客接点の高度化 AIを活用して自動応答支援や接客型サポートによる顧客接点の高度化を実現 チャットボット
機械学習
コールセンター・問い合わせ窓口 顧客の声(VOC)の自動分類 顧客の声(VOC)を1件1件自動で仕分け
作業時間の削減や分析制度の向上
自然文解析
コールセンター・問い合わせ窓口 電話窓口の音声ガイダンス作成 Zinraiが音声ガイダンスを吹き込み
ガイダンス変更も迅速に対応可能
音声合成
職場・暮らし 保育所での入所選考の効率化 申請希望の最適な割り振りを支援
作業時間の短縮と申請者の満足度を最大化
マッチング
職場・暮らし 潜在する要望・嗜好にあう提案の支援 AIが利用者の嗜好まで予測したマッチングを実現 マッチング
社会インフラ 監視業務の負荷軽減、最適化 AI技術を活用したスマート都市監視 画像認識
ディープラーニング
社会インフラ 専門家による目視検査支援 社会インフラの検査支援
専門知識が必要な画像検査の自動化
画像認識
ディープラーニング
保守・保全 設備異常の予兆検知 光ファイバーを活用した温度測定と設備異常予兆検知 予兆検知、アノマリ分析
保守・保全 作業者の安全管理支援 遠隔で作業者を見守り、安全な職場づくりをサポート 熱ストレス推定アルゴリズム
機械学習
ものづくり 製造品の異常検知 ディープラーニングによる製造品の異常検知 画像認識
ディープラーニング
デジタルマーケティング 字幕作成の支援 プレゼンやスピーチの文字起こし
テキスト作成時間を削減
音声テキスト化
デジタルマーケティング 動画・録音データの有効活用 ディープラーニングを使用したノイズ除去による音声の認識率向上 ディープラーニング
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