沖電気工業(OKI)は2018年4月3日、ディープラーニングを用いて人の自然な表情や振る舞いから人の潜在的な感情を推定する技術(感情推定技術)の研究開発を開始すると発表した。
2018年度中に、精度向上のためPoC(概念検証)によるフィールド実験を行う。この結果を踏まえ、利用者の感情に合わせて高度なサービスを提供できる「感情推定による対話型システム」への適用を検証し、2020年度の実用化を目指す。
感情推定技術とは、表情やしぐさ、視線など人間が自然表出するデータを基に、感情を推定する技術である。焦りや困惑、興味や関心などの人の潜在的な感情領域で、対話型システムの利用シーンにおいて必要になる感情を推定する。
例えば、公共施設や商業施設に設置されるKIOSK端末への適用では、操作映像から利用者が焦っていたり困惑したりしていることを検知すると、有人オペレーターにつないでチケット購入などの支援が行えるようにする。
サイネージシステムへの適用では、コンテンツに関心を持って立ち止まっている人を検知すると、システムから話しかけ、対話を通して興味や関心を判断しながら店舗や商品を提案していく。こうして、多様なニーズを持つ利用者の満足度を向上させる。
システム操作時における感情推定アルゴリズム(機械学習モデル)の研究開発については、ディープラーニングを用いた画像解析技術を持つLaboro.AIと共同で進めていく。