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「Azure Stack」に見る、本物のハイブリッドクラウドのかたち

Azure/Azure Stackのazurestack_icon連携が提供するハイブリッドクラウドの価値、そのパワーを最大限に引き出すネットワーク&セキュリティ・ソリューションとは

2018年4月26日(木)

多くの企業でデジタルトランスフォーメーションの促進が求められるなか、重要性を増しているのがアプリケーションの迅速な開発と柔軟な配置を実現するハイブリッドクラウドだ。なかでもマイクロソフトが提供するハイブリッドクラウドソリューション「Microsoft Azure Stack」は、従来のパブリッククラウドの多くが抱えるセキュリティや法規制、パフォーマンス面での課題を解消する環境として注目を集めている。このAzure Stackの全体像をわかりやすく学ぶことのできるセミナーが、2018年3月15日に都内で開催された。F5ネットワークスジャパン合同会社、日本マイクロソフト株式会社、シスコシステムズ合同会社、三井情報株式会社の4社が共同開催した同セミナーの模様をリポートする。

Azure/Azure Stackがもたらすオープンイノベーション

日本マイクロソフト株式会社 パートナー事業本部 パートナー技術統括本部 SIビジネス開発技術本部 パートナーテクノロジーストラテジスト 高添 修氏日本マイクロソフト株式会社 パートナー事業本部 パートナー技術統括本部 SIビジネス開発技術本部 パートナーテクノロジーストラテジスト 高添 修氏

 最初に登壇した日本マイクロソフト パートナー事業本部のパートナーテクノロジーストラテジスト、高添修氏は、「これが真のハイブリッドクラウド ~Azure/Azure Stackに見るシームレスな世界~」というテーマのもと、新たなハイブリッドクラウドインフラとして注目を集めるAzure/Azure Stackの全貌を明らかにした。

 冒頭、高添氏は「いまクラウドを使っている企業のうち50%は、ビジネスにスピードをもたらすという観点からアジリティを求めていると言われる。我々もそこに重きをおいて顧客と向き合っており、アジリティを生み出すためのクラウドサービスとして、Microsoft 365をはじめとするSaaSや、IaaSとPaaSを包含したサービスであるAzureを提供している」と強調した。

 現在、クラウド利用企業の3分の2がハイブリッドクラウドを使用していると言われるほど、ハイブリットクラウドはビジネスに欠かせない存在となりつつある。 「こうした動向を踏まえマイクロソフトでは、クラウドのパワーをお客様のデータセンターでも実現して、利用者のより近くにもインテリジェンスをもたらすべく、Azure Stackの提供を開始した」(高添氏)

 Azure Stackはパブリッククラウドと連動し、システムを配置する場所を問わず一貫性をもって使うことができる。APIを含む管理基盤がAzureと共通化されており、AzureのIaaSやPaaSの環境がそのまま動くのはもちろんのこと、大規模なデータセンターではなくても動かすことができるようになっている。

 「Azure Stackは、基本的にAPIもコマンドもスクリプトもAzureと一緒。Azure Marketplaceのソフトウェアも利用できる。やりたいと思った時にその実現手段を教えてくれる人が世界中のいたるところにいる。そうしたAzureエコシステムを発展させながら、オープンイノベーションの環境を作っていきたい」と高添氏は語り、セッションを締めくくった。

Azure Stackは、Azure Marketplaceで公開されているソフトウェアをデプロイすることが可能。Azureエコシステムのパワーを社内のデータセンターで活用できる。Azure Stackは、Azure Marketplaceで公開されているソフトウェアをデプロイすることが可能。Azureエコシステムのパワーを社内のデータセンターで活用できる。
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シスコが考える、Azure/Azure Stack活用のポイントとは

シスコシステムズ合同会社 データセンター・仮想アーキテクチャ SE本部 畝高 孝雄氏シスコシステムズ合同会社 データセンター・仮想アーキテクチャ SE本部 畝高 孝雄氏

 続いて「ネットワーク視点で見たAzure/Azure Stackとネットワークだけじゃないシスコの今」というテーマでセッションを行ったのは、シスコシステムズ データセンター・仮想アーキテクチャSE本部の畝高孝雄氏だ。

 AzureやAzure Stackは、サービスとして利用するクラウドであり、従来のオンプレミスのIT基盤とは異なる使い方や考慮が必要となる。そこで畝高氏は、Azure Stackを始めとするハイブリッドクラウドの基盤や管理ソリューションなどを提供してきたシスコの実績に基づきながら、ハイブリッドクラウド活用のポイントを紹介した。

 「AzureのサービスをITリソースとして活用することがこの数年間で当たり前になってきた。もはやIaaSかPaaSかSaaSかいったことはあまり問われず、サービス提供者もその境目を設けなくなっている。そうしたなか、ビジネスのアジリティを向上したいという目的達成のための手段として、クラウドを捉えるようになってきている」と、畝高氏は指摘する。

 企業それぞれのIT利用ニーズに合わせ、サーバー/ストレージ/ネットワーク機器やサービスを提供するシスコ。同社が提供する「Cisco Integrated System for Microsoft Azure Stack」は、クラウド向けに設計された統合システムであり、シスコのUCSサーバーとNexusスイッチを基盤にAzure Stackを展開するソリューションだ。その特徴はネットワークを重視した設計にあり、広帯域のネットワークスイッチとアダプタを組み入れて提供する。

 「ネットワークとサーバーを1つのチームでつくっているので、統合した管理機能が組み込まれており、管理サーバーや管理スイッチを別途用意する必要もない」(畝高氏)

シスコシステムが提供するAzure Stack基盤「Azure Stack on UCS」。40GbEの広帯域ネットワークを標準装備し、既存ラックシステムに収容、4ノードからのスモールスタートが可能。ノード増設時には、電源・ネットワーク結線以降はすべてリモートからUCS Managerで設定構築が可能だ。シスコシステムが提供するAzure Stack基盤「Azure Stack on UCS」。40GbEの広帯域ネットワークを標準装備し、既存ラックシステムに収容、4ノードからのスモールスタートが可能。ノード増設時には、電源・ネットワーク結線以降はすべてリモートからUCS Managerで設定構築が可能だ。
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 同社の強みとして、AzureとAzure Stackをセキュアなネットワーク接続の設計・構築できることだ。「AzureもAzure Stackも正しくつなげてこそ活用できる。Azure Stackはあくまでもクラウドなので、自社データセンターに設置しても接続にはVPNが必用となる。十分なパフォーマンスを発揮させるには、広帯域なネットワークが必要」と畝高氏は言う。

 さらにシスコでは、WAN最適化ソリューション、コラボレーションサービスなど、さまざまな製品でAzure/Azure Stackサービスへの対応を進めていく予定だという。

 セッションの最後、畝高氏は「シスコとしても、様々なサービスとハードウェアを組み合わせながら、顧客のやりたいことを実現するための手段のなかの1つとして、Azure/Azure Stackの活用を促すソリューションを提供していきたい」と訴えた。

マルチクラウド化でより求められるアプリケーションの保護

F5ネットワークスジャパン合同会社 セールスエンジニアリング本部 シニアSEマネージャー 牧田 延大氏F5ネットワークスジャパン合同会社 セールスエンジニアリング本部 シニアSEマネージャー 牧田 延大氏

 F5ネットワークスジャパン合同会社 セールスエンジニアリング本部 シニアSEマネージャー、牧田延大氏によるセッションのテーマは、「アプリに合わせるクラウド選択の時代にF5がお手伝いできるコト」。

 F5ネットワークス(以下、F5)が世界のユーザーを対象に実施した調査では、デジタルトランスフォーメーションをきっかけに、アプリ中心のマルチクラウドアーキテクチャの採用を推進する動き明らかになったという。すなわち、インフラから積み上げてアプリケーションを作るのではなく、アプリケーションから逆算して最適なITスタックを決定するということだ。

 しかし、ハイブリッドクラウド環境でのアプリケーション保護については、経験とノウハウ不足に起因する不安も顕在化している。このような背景を踏まえて牧田氏は、いま注目を集めるAzureStack上でのアプリケーション保護を中心とした同社のソリューションを紹介した。

 米国シアトルに本社を置くF5には、マイクロソフトとの長年にわたるパートナーシップの歴史があるという。そんな同社は最近「WE MAKE APPS GO」というスローガンを掲げ、よりアプリケーションにフォーカスした取り組みを進めている。Azure Stackへの対応もその一環となるものだ。

 F5の調査からは、世界中の企業がアジャイルな開発手法やIT環境の自動化、パブリッククラウド・ベースのアプリの活用に注力している一方で、まだまだオンプレミスに信頼を置いている企業が多いことがうかがえる。パブリッククラウドの利用に際しての課題として最も多く挙げられているのがセキュリティであり、昨年の調査から28%も上昇している。

 牧田氏は、「単にセキュリティというだけでなく、既存の脅威や未知の脅威からアプリケーションを守るという課題を抱いている点が興味深い」と指摘した。

 とりわけ今年の調査では、各種ゲートウェイ型セキュリティサービスをアプリケーションの前に置きたいというニーズが一気に増えており、なかでもAPIの保護への関心が高いという。こうした課題に応えるべく、F5が提供するのがWAF(Webアプリケーションファイアウォール)をはじめとした各種セキュリティ・ソリューションである。

 F5では、従来のAzureのサポートに加え、次期アップデートでのAzure Stackへの対応を発表している。これにより、F5が提供するセキュリティ・アプライアンスの仮想マシンイメージが、AzureStack Marketplaceからデプロイ可能になる。ライセンス管理の柔軟性も提供され、ソフトウェアライセンスのクラウド間移動もサポートされるという。

 「IoTゲートウェイ、APIファイアウォール、HTTPゲートウェイなどの我々のソリューションを、AzureでもAzure Stackでも、皆さんの使いたい“色”で使っていただきたい」と力説した牧田氏は、マルチクラウド化が進む中で一貫性のあるセキュリティを提供し続けることを宣言してセッションを終えた。

F5は、Azure Stack対応に併せてソフトウェアライセンスのクラウド間移動をサポート。アプリケーションの移動に合わせて、セキュリティ・ソリューションも移動させられるようになる。F5は、Azure Stack対応に併せてソフトウェアライセンスのクラウド間移動をサポート。アプリケーションの移動に合わせて、セキュリティ・ソリューションも移動させられるようになる。
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なぜAzureを選ぶべきなのか──

三井情報株式会社 デジタルトランスフォーメーションセンター R&D部 研究開発室 室長 青木 賢太郎氏三井情報株式会社 デジタルトランスフォーメーションセンター R&D部 研究開発室 室長 青木 賢太郎氏

 最後のセッションに登壇したのは、三井情報株式会社 デジタルトランスフォーメーションセンター R&D部 研究開発室 室長、青木賢太郎氏だ。同氏は「私たちのデジタルトランスフォーメーションを支えるMicrosoft Azureのハイブリッドクラウド」というテーマを掲げ、モバイルや機械学習などのデジタルトランスフォーメーションで必要となるさまざまな技術を動かす環境として、Azureを選ぶメリットと技術的な考慮点を解説した。

 開口一番、青木氏は次のように述べた。「Azure Stackは今までの仮想サーバー基盤とどう違うのかとよく聞かれるが、Azureが有する多様なアプリケーションを動かすためのいくつかの機能を提供している点こそが、Azure Stackと単なる仮想サーバー基盤とを大きく隔てるのだと考えている。そしてAzure Stackは、Azureと同じいくつかの機能だけでなく同じAPIを持つことで、長い間培われてきたAzureのエコシステムをそのまま活用できる。これはつまり、パッケージの製品を瞬時に企業内で動かすことができることを意味している」

 Azure Stackにおけるアプリケーションの“見え方”はAzureと同じであり、Azure Active Directoryによるシングルサインオンも可能となっている。

 「AzureとAzure Stackなら、これまでクラウドのアプリケーションモデルでつくってきたものを、そのままオンプレミスでも使うことができる」(青木氏)

 一例として青木氏が挙げたのは、機械学習モデルを容易に活用可能なAzure Machine Learningだ。Azure Machine Learningの一部の機能は、AzureとAzure Stackのどちらでも利用できる。そのため、Azureで作成された学習済みモデルをWeb API化し、推論フェーズをオンプレミスのAzure Stack環境で動かすといったことも可能だ。

 「Azureの知識だけで、こうした高度なシステムも構築できるようになっている。従来のオンプレミスシステムのように、環境ごとに異なる独自の知識は不要であり、共通化されたクラウドの知識でシステム構築できるようになる時代となったのだ」と青木氏は強調した。

 そして最後に青木氏は、次のようなメッセージを発してこの日のすべてのセミナーの幕を閉じた。「Azureのハイブリッド機能は、Azure Stackとの連携にとどまらない。自社の要件に合わせて、Azureの機能を適切に選択し、適切な場所で、最適な組み合わせを利用することが重要だろう。そこを踏まえて、Azure Stackをうまく使いながらデジタルトランスフォーメーションを実現していただきたい」

Azure Machine Learningを活用したAzure/Azure Stack連携例。処理負荷の学習フェーズをAzure上で行い、推論フェーズをAzure Stackで実行するといった使い分けが容易に行える。Azure Machine Learningを活用したAzure/Azure Stack連携例。処理負荷の学習フェーズをAzure上で行い、推論フェーズをAzure Stackで実行するといった使い分けが容易に行える。
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<各社へのお問い合わせ>

■日本マイクロソフト株式会社
・URL:https://www.microsoft.com/ja-jp
・問い合わせ先:https://azure.microsoft.com/ja-jp/overview/sales-number/

■シスコシステムズ合同会社
・URL:http://www.cisco.com/jp
・問い合わせ先:https://engage2demand.cisco.com/LP=617?ecid=138

■F5ネットワークスジャパン合同会社
・URL:https://f5.com/jp
・問い合わせ先:https://f5.com/jp/fc/

■三井情報株式会社
・URL:https://www.mki.co.jp/
・問い合わせ先:https://reg18.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mfre-qblfr-87fd0543512f585ab52beb4f50170918
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