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自社に関連したサイバー攻撃情報をデイリーで提供するAntuit、2018年に13本のCYFIRMA緊急レポート
2018年7月13日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
サイバー攻撃の情報提供サービスを提供するシンガポールAntuit(アントゥイット)の日本法人は2018年7月13日、都内で説明会を開き、同社が販売する情報提供サービスの内容と、日本を標的としたサイバー攻撃の状況について説明した。日々のレポートのほかに2018年に入ってから13件の緊急レポートを国内企業向けにリリースしており、直近では2018年7月12日に発行したという。
Antuitは、サイバー攻撃の内容や攻撃者に関する情報を調べて契約企業に日々のレポートとして提供するサービス「CYFIRMA(サイファーマ)360°サイバーセキュリティサービス」を2018年5月から国内で提供している。価格(税別)は月額300万円で、現在国内に2桁のユーザーがいるという。日次レポートの分量は、少ない場合で7ページ程度、多い場合で20ページ程度になる。
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日々の情報提供に加えて、緊急の情報提供も行う。例えば、ランサムウェアのWannaCryが流行った時にも、事前に緊急レポートで情報を提供したという。2018年に入ってからは、13本の緊急レポートをリリースしたという。直近では、2018年7月12日に緊急レポートを出している。「今そこにある危機だ」(Antuit代表取締役社長の釼持祥夫氏、写真1)と情報提供サービスの意義をアピールする。
Antuitが提供する情報の特徴は、IPアドレスやハッシュ値といった戦術的な情報だけでなく、サイバー攻撃者がどういう人たちなのかといった戦略的な情報を提供すること。情報は、サイバー攻撃者が潜むディープウェブ(認証が必要で検索エンジンが検索できないWebコンテンツ)を監視し、契約企業に関連したキーワードが見つかった場合は、スパイ活動なども実施して情報を収集する。攻撃の予兆を検知し、対策のための情報を提供できるとしている。
日本は現在、サイバー攻撃のターゲットになりやすくなっていると釼持氏は指摘する。サイバー攻撃者の間では、日本はサイバー攻撃に対する対応力が弱く、狙いやすいと思われているという。分野としては特に、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会、仮想通貨/ブロックチェーン、重要インフラ、の3つが攻撃の対象になっている。