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仮想サーバーも動作するデータ移行システム「Snowball Edge」、AWSが直近サービスを紹介

2018年7月26日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は2018年7月26日、パブリッククラウドサービスであるAWS(Amazon Web Services)に追加した直近のサービス群について情報をアップデートした。例えば、オンプレミスのデータをストレージ経由でAWSに引き上げる「Snowball」に仮想サーバーの実行環境を付加した「Snowball Edge」を追加した。

 2018年7月16日と17日に開催したプライベートイベント「AWS Summit NYC」で発表した新サービスを中心に、直近のサービス群について情報をアップデートした。AWS Summit NYCの発表からは、5つの新サービス/追加機能を発表した。これ以外に、東京リージョンの新情報をいくつかアップデートした。

Snowball内でデータ前処理用のEC2インスタンスを実行可能に

 AWS Summit NYCで発表したハイライトの1つが、Snowballに仮想サーバー実行環境を付加したSnowball Edgeである。

図1:AWS Snowball Edgeの概要(出典:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)図1:AWS Snowball Edgeの概要(出典:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)
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 前提となるSnowballは、大容量データをオンプレミス環境からAWS環境へと移行するためのシステムサービスである。オンプレミス環境にストレージを持ち込んでLAN経由でデータを引き上げる仕組みである。WAN回線を介したデータ転送よりも短期間でデータを移行できる。

 Snowball Edgeでは、Snowballに仮想サーバーの実行環境(Amazon EC2相当)を付加している。これにより、データをストレージに書き込む前のプリプロセス(前処理)として、仮想サーバー上でデータの変換・加工といった処理ができる。EC2相当の仮想サーバーがそのまま動作するので、前処理用に任意のアプリケーションを利用できる。

オブジェクトストレージのS3がパフォーマンス向上

 AWS Summit NYC発表のハイライトの2つめは、オブジェクトストレージサービスのAmazon S3の性能を向上させたこと。これにより、データ追加時に最大3500リクエスト/秒、データ取得時に最大5500リクエスト/秒の性能になった。

 同社の検証では、2Mバイトのファイルを5Tバイト分、プリフィックス1個の条件で、データの追加が41分40秒から12分0秒へと短くなり、データの取得が13分52秒から7分0秒へと短くなった。

これまで使っていたIPアドレスの持ち込みが可能に

 Bring Your Own IPも発表した。まだプレビュー段階だが、米国でサービスを開始している。ユーザー企業は、これまで使ってきた自社のIPアドレスを、AWS環境に持ち込める。システムをAWSに移行する際に、IPアドレスを変更しなくて済むようになる。AWSは、必要な処置として、ユーザー企業が持ち込んだIPアドレスの経路情報をBGPでアナウンスする。

 翻訳サービスのTranslateに、日本語を含むいくつかの言語を追加した。翻訳機能や、キーワードの抽出機能などを、APIで呼び出せる。複数の言語ソースの情報を収集し、これを一括して日本語や英語などに翻訳し、翻訳結果の中から特定のキーワードを抽出して分析する、といった使い方ができる。

仮想サーバーのインスタンスを3つ追加、768GBメモリーを使用可能

 仮想サーバーであるAmazon EC2のインスタンスの選択肢も増やし、3つ追加した。CPUコアあたりの性能を高めた「Z1d」、最大で768Gバイトの大容量メモリーが使える「R5」と「R5d」である。名前の最後に「d」が付く「Z1d」と「R5d」は、NVMe接続のローカルSSDが使える。今後は、ベアメタルサーバーも選択できるようにする予定である。

 Z1dは、性能を要求するデータベースや、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)などの用途を想定している。R5は、インメモリー分析や分散型インメモリーキャッシュなどの用途を想定している。

EBSスナップショットのライフサイクル管理を容易に

写真1:アマゾン ウェブ サービス ジャパンで技術本部エンタープライズソリューション部部長を務める瀧澤与一氏写真1:アマゾン ウェブ サービス ジャパンで技術本部エンタープライズソリューション部部長を務める瀧澤与一氏
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 AWS Summit NYCの発表内容とは異なるが、日本のユーザーに関連が深いアップデート情報をいくつか紹介した。

 EC2から使えるブロックストレージであるAmazon Elastic Block Store(Amazon EBS)のスナップショットをスケジュールに則って自動で作成したり、古いスナップショットを自動で削除したりといったライフサイクル管理を、標準の管理メニューから行えるようにした。

 スナップショットは、コマンドを起動することによって作成できる。従来は、運用管理スクリプトをスケジュール実行するなどして、定期的にスナップショットをとっていた。古いスナップショットの削除なども面倒だった。今回、これらのライフサイクル管理を、標準メニュー化した。

 東京リージョンでElastic File System(NFSv4)を使えるようにした。メッセージブローカーサービスのAmazon MQを、東京リージョンと韓国リージョンで提供開始した。

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仮想サーバーも動作するデータ移行システム「Snowball Edge」、AWSが直近サービスを紹介アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は2018年7月26日、パブリッククラウドサービスであるAWS(Amazon Web Services)に追加した直近のサービス群について情報をアップデートした。例えば、オンプレミスのデータをストレージ経由でAWSに引き上げる「Snowball」に仮想サーバーの実行環境を付加した「Snowball Edge」を追加した。

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