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日本IBM、AI判定モデルが信用に足るかを可視化するツール、全社でAI資産を一元管理

2018年10月4日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日本IBMは2018年10月4日、ユーザー企業全体で効率的にAIを活用するための包括的なサービスとツール群「IBM Services AI Enterprise Knowledge Foundation」を発表、同日提供を開始した。データや判定モデルなどのAI資産を管理して可視化するツール群と、AI活用の戦略策定から導入支援、AI人材の育成などをまとめたサービス群で構成する。まずは下位プランを無料で提供し、2018年11月に価格を含めて再度アナウンスする。

写真1:Trust & Transparency capabilitiesについて説明する、日本IBMの執行役員でワトソン&クラウドプラットフォーム事業部長の吉崎敏文氏写真1:Trust & Transparency capabilitiesについて説明する、日本IBMの執行役員でワトソン&クラウドプラットフォーム事業部長の吉崎敏文氏
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 日本IBMは、ユーザー企業全体で効率的にAIを活用するための包括的なサービスとツール群「IBM Services AI Enterprise Knowledge Foundation」を発表し提供を開始した。

 AIを会社全体で効率よく活用するためのサービスとツールを、まとめて提供する。理由として、AIの適用範囲が各種業界へと広がり、1つの企業内でも複数の業務へと広がっている中で、ユーザー企業の各部門ごとに独自にAIを導入している状況を挙げる。「個々のAI資産を一元的に管理できていない」という。

 AIの判定モデルやデータといったAI資産が企業内の部門ごとに独立して存在してしまっている状態を解消するため、ブラックボックスになりがちなAI資産を可視化して管理できるようにするツールと、AIの戦略策定、導入支援、人材育成、などをトータルに提供するSIサービスを提供する。

 AI資産を可視化して管理できるようにするツールは、第1弾として「Trust & Transparency capabilities」を提供する。ブラックボックスになりがちなAI資産の公平性と透明性を、ダッシュボードによる可視化によって担保することを狙っている。

図1:Trust & Transparency capabilitiesの概要(出典:日本IBM)図1:Trust & Transparency capabilitiesの概要(出典:日本IBM)
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 可視化ダッシュボードは、AI判定モデルの判定内容を説明する。AI判定モデルが何を根拠にどう判定しているのかが分かる。判定結果から、特定の入力データ群に対してバイアスがかかっている可能性も検出する。これにより、学習データの品質を高めるといった措置がとれる。

 例えば、自動車保険料の申請について不正な申請を検知するAIモデルのケースでは、判定の材料として自動車の価格や年齢などを利用していることが分かる。25歳未満の保険申請を不正と判定する率が他の年齢層と比べて際立って高い場合に、他の年齢層と比べてバイアスがかかっている可能性を示唆する。

図2:特定の入力に対してAI判定モデルがどのような判定を行ったか、その判定にどの項目が強く影響したか、などが分かる(出典:日本IBM)図2:特定の入力に対してAI判定モデルがどのような判定を行ったか、その判定にどの項目が強く影響したか、などが分かる(出典:日本IBM)
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 一方、SIサービスは、大きく5つの分野をカバーする。(a)マネジメント支援は、ロードマップ策定、ROIの監視、迅速なPoCの実施などを支援する。(b)ガバナンス支援は、AI管理プロセスの定義と実行などを支援する。(c)導入支援は、技術検証や本番導入の支援などを支援する。(d)運用・再学習支援は、KPIダッシュボードの構築と運用、判定の品質を高めるための再学習の実施などを支援する。(e)人材育成・スキル移管支援は。データサイエンティストの育成支援などを支援する。

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