IDC Japanは2018年12月27日、国内企業のDevOps(開発と運用のライフサイクルの効率化)の実践状況についての調査結果を発表した。DevOps実践率は28.1%で、2017年調査の20.0%から大きく上昇した。この一方で、DevOpsの実施でビジネスの成果が出ていると回答した企業は41.4%にとどまっている。
IDC JapanがDevOpsの実践状況について調査した。国内企業のIT管理者を対象にアンケート調査を2018年9月に実施し、515社から有効回答を得た。同社では、DevOpsの定義を「企業や組織がビジネスのスピード、品質、競争力などのケイパビリティを高めることを目標とし、複数のチームや担当者が共同でアプリケーションの開発から運用までのライフサイクルを効率化するための方法を取り入れ、それを実践すること」としている。今回の調査では、DevOpsの実践有無に関わらず、DevOpsについて理解している企業を調査対象とした。
結果を見ると、DevOpsの実践率は2017年調査時(2017年8月に実施)と比べて大きく上昇した(図1)。「IT組織全体で実践している」企業は12.6%で、2017年調査から6ポイントの上昇となった。「一部の部門/プロジェクトで実践している」企業の15.5%を合わせると、企業のDevOps実践率は28.1%に達し、2017年調査の20.0%から大きく上昇した。

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また、DevOpsを「実践する具体的な計画がある」と回答した企業も16.7%となった。ここから、2019年はさらにDevOpsの実践率が上昇することが見込まれる。
IT関連企業が、DevOpsの実践を牽引している。DevOpsの実践率が高い業種は、1位がソフトウェア/システム開発業(ソフトウェアベンダー、システムインテグレーター)で37.4%、2位が通信/サービスプロバイダー業(通信、クラウドサービス、インターネットコンテンツプロバイダー、メディア)で32.2%となった。
IT関連企業以外の中では、金融業で実践率が最も高く、28.3%だった。金融では、FinTechビジネスの開発が加速しており、FinTech向けWebアプリケーションやモバイルアプリケーションを対象に、DevOpsに取り組む企業が増加しているとみられる。
●次ページ:DevOpsの実施と、コンテナ技術の採用やビジネス成果との関係
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