[調査・レポート]

ディープラーニングがデータ分析市場の成長に寄与─ミック経済研究所

2019年1月17日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

IT市場調査会社のミック経済研究所は2019年1月17日、国内のビジネスアナリティクス市場動向を分析したマーケティング資料「ビジネス・アナリティクス市場展望 2019年版」を2019年1月に発刊したと発表した。市場成長の原動力として最大なのは、AI/ディープラーニング(深層学習)の活用である。

 ミック経済研究所によると、2018年度のビジネスアナリティクス市場規模は2978億円で、前年度比113.6%の高成長となった。今後も新たなデータ分析基盤としてビジネスでの活用が広がり、2026年度までに市場規模は年平均成長率13.6%増で拡大する結果、8290億円に達すると予測している。

 継続的な成長の背景について同社は、デジタルトランスフォーメーションに本格的に取り組む企業の増加に伴うデジタルデータ(特に非構造化データ)の急増、データドリブン(データ駆動、データを根拠とした)な手法で新たなビジネスを生み出すためのデータ分析基盤構築の需要増などを挙げている。

 「市場成長の原動力として最大なのは、AI/ディープラーニング(DL:深層学習)の活用である。アナリティクスの製品やサービスにAI/DL機能を組み込むことにより機能の精度を高めたり、予測分析機能や自動化機能を持たせることで他社と差別化を図ることを目的に、AI/DLの活用が進んでいる」(同社)。

 伸び率を見ると、AI/DL活用案件は2018年度で年率24.5%増、2019年度で年率23.5%増である。一方、AI/DLを活用していない案件の伸びは2018年度で年率9.8%増、2019年度で年率10.1%増である。AI/DLの活用が市場の成長に大きく寄与していることが分かる(図1)。

図1:AI/DL活用案件とAI/DLを活用していない案件の売上高・伸び率の比較(出典:ミック経済研究所)図1:AI/DL活用案件とAI/DLを活用していない案件の売上高・伸び率の比較(出典:ミック経済研究所)
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 「ビジネス・アナリティクス市場展望 2019年版」は、国内の主要アナリティクス・ベンダー、SI企業等42社を調査し、収録個票の数値を積上げて全体を推計した資料である。42社のビジネスアナリティクス売上合計は2018年度2324億円となり、総市場2978億円の78.0%をカバーする。

 ミック経済研究所は、ビジネスアナリティクス市場の調査対象を「BI(ビジネスインテリジェンス)、BA(ビジネスアナリティクス)、統計解析、数値解析、テキストマイニング、ソーシャルリスニング、レコメンドエンジン、アクセス解析、画像解析、センサーデータ解析に活用されるソフトウェアもしくはSaaS、それらのインテグレーション(ハードウェアを含む)、分析・解析サービスおよびコンサルティングといった人的サービス」とし、事業者売上高ベースにて数値の算出を行った。

 調査期間は2018年10月~12月で、調査対象年度は2017年度~2019年度の3カ年、予測は2026年度までとなっている。なお、ビジネスアナリティクスの製品セグメンテーションは表1のとおりである。

表1:ビジネスアナリティクスの10セグメンテーション
アナリティクス・ツール パッケージ型ツール
クラウド型ツール
システム構築関連サービス システム導入コンサル
システム構築サービス
カスタマイズサービス
教育サービス
保守サービス
ハードウェア販売
データ関連サービス データ分析サービス
データ提供サービス

 なお、今回の調査結果概要は同社の「ビジネス・アナリティクス市場展望2019年版」(A4判・700ページ)が基になっている。価格(税込み)は20万5200円である。PDF版は24万8400円、CD-ROM版は41万400円。

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