伊藤忠商事は、米UiPathのRPAソフトウェア「UiPath」を導入し、成果を上げている。2019年1月現在、69業務で83のロボットが稼働している。商品ごとの市況情報を取得して処理する作業を自動化した事例では、年間148時間に相当する作業を削減した。さらに、これまで2商品の情報しか収集できていなかったところ、自動化によって6製品の情報を収集できるようになった。UiPathが2019年2月26日に発表した。
伊藤忠商事は、2017年春ごろにRPAの検討をスタートした。7つのカンパニーごとに営業業務も業務システムも異なるため、スモールスタートでPoC(概念実証)から段階的に拡大していくことを決めた。この観点で複数製品を検討し、2017年10月に初期投資費用を少なく抑えられることなどから「UiPath」(画面1)の導入を決めた。
RPAの導入決定後、いくつかのロボットを試作して稼働させながら、人材育成に取り組んだ。こうして、ロボット開発者7人を育成した。2018年4月には、RPAの全社展開のためのCoE(Center of Excellence)組織をIT企画部内に立ち上げ、RPAの推進体制を強化した。
画面1:「UiPath」の開発画面例(出典:米UiPath)拡大画像表示
COEは、各部署の小さな業務を自動化させて実績を積み重ね(導入期)、次に社内全体へ広め(拡大期)、最後に経営層に活用を促す(成熟期)というRPAの成長モデルを作成した。最初の1年を導入期と定め、2019年1月現在、カンパニー特有のものから共通化するものまで69業務で83のロボットが稼働している。
開発したロボットと導入効果の一例は、以下のとおり。
Webサイトから1商品ごとの市況情報を取得して処理する作業を、ロボットで自動化した。取得した情報を基にしきい値超過判定を行った後にExcelへ転記し、しきい値を超過していれば担当者にメールを送信する作業までを自動化した。結果、年間148時間に相当する作業を削減できた。
また、それまで2商品しか情報収集できていなかったところ、ロボット化することで6商品の情報収集が可能になった。今後は40商品へと展開する可能性もある。データの転記ミスが減るといった副次的な効果もあった。
出荷帳票処理も自動化した。外出先から送受信するデータを基に出荷帳票を作成して印刷する作業である。結果、年間140時間に相当する作業を削減できた。繁忙期の作業時間を標準化でき、引継ぎ時の手間を軽減できるといった副次的な効果もあった。
保険取扱い業務も自動化した。保険会社から保険金支払い予定データをメールで受領後、基幹システムに連携し、保険金支払通知書を出力する。この後、各担当部署に支払通知書と入金予定データを添付してメールを送信する。この一連の処理を自動化し、担当者の業務負荷を軽減した。
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