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NECとマクロミル、視線や脳波で商品への関心を測る会場調査サービスを開始

2019年3月8日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECとマクロミルは2019年3月8日、AIや生体情報を活用してマーケティングに役立つインサイト(洞察)を得るサービスを共同開発し、同年4月から順次提供すると発表した。視線や脳波などの生体情報を活用して会場調査の質を高める。2019年1月から先行して提供しているAI活用のデータ分析サービス「D-Profile」と合わせて展開する。

 NECとマクロミルは、AIや生体情報を活用してマーケティングに役立つインサイト(洞察)を得るサービスを共同開発し、2019年4月から順次提供する。

 ネットリサーチ大手のマクロミルは、生活者起点のデータ(年齢などの属性情報、購買履歴、アクセスログなど)や、脳波、視線などの生体情報を保有している。これらをNECのAI技術を用いて分析する。これにより、アンケート調査や会場調査では見いだせない生活者の無意識な反応や行動情報を可視化する。

図1:生体情報を活用した会場調査サービスなど新サービスの概要(出典:NEC)図1:生体情報を活用した会場調査サービスなど新サービスの概要(出典:NEC)
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 新サービスの「生体情報を活用した会場調査サービス」では、マクロミルが実施するCLT(会場調査)において、NECのAI技術「遠隔視線推定技術」やセンタンの「脳波測定技術」を活用する。これにより、生体反応を定量的に測定する。棚前テストと個別パッケージテストの2種類を用意している(図1)。

 棚前テストは、店頭の棚を再現した中で新商品を評価するテストである。従来のような視線測定装置を身体に着用することなく、より自然な状態で調査を実施できる。一方、新商品を評価する個別パッケージテストでは、視線と脳波を組み合わせることで、デザイン要素別にポジティブ・ネガティブのどちらに働くかが分かる。

 サービスの提供開始時期は、2019年7月を予定する。棚前テストのアウトプットは、陳列棚での各商品の視認率や視認秒数などの指標を数値化した数表である。個別パッケージテストのアウトプットは、視線・脳波反応をパッケージデザイン上にヒートマップ表示した画像である。

 サービスの提供に先立ち、2018年9月に実証実験を実施した。従来のアンケート調査では困難だった、「最初に商品のどこを見たのか」「どの商品と比較したのか」「それがネガティブ・ポジティブのどちらに働いたのか」などの商品選択過程における生活者のリアルな反応を把握できることを実証した。

 別のサービスとして、2019年4月には、マーケティングに役立つ生活者購買データ一式を販売する。NECのAI技術「顧客プロフィール推定技術」を適用してマクロミルの生活者データ(購買データ)の不足項目を補完し、約10万人規模まで拡充したデータである。購買量が少ない商材の分析などに適する。

 今後両社は、店舗における生活者の購買行動にひもづく洞察を調査するサービスを共同で開発する。2019年度中の提供開始を視野に、実証店舗での実証実験などを通じて事業開発を進めている。

 共同開発の背景について両社は、生活者の行動が多様化・個別化したことで、より深く生活者を理解することが重要となってきていることを挙げる。「従来は、生活者の性別・年齢などの属性データ、価値観などの意識データ、購買行動データしか得ることができず、生活者を理解するうえで限界があった」(同社)。

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