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[データマネジメント2019]

マルチクラウドに分散するビッグデータを統合連携─iPaaSの活用でバリューチェーンを横断した洞察を導く

2019年3月29日(金)

企業のIT基盤にパブリッククラウドが当たり前のように使われる時代となった。これに伴いオンプレミスのシステムと複数のクラウドサービスを連携させるデータ統合基盤の構築・刷新が急務となっている。そこで注目されているのがクラウドネイティブの環境下でそのソリューションを提供するiPaaS(integration Platform-as-a-Service)だ。オンプレミスで数多くの実績を重ねてきたTalend Data Fabricのクラウドバージョンであり、完全互換を持つONEアーキテクチャーで設計されたTalend Cloudが、その市場をリードする。

データ統合連携の要求はバリューチェーン全体に拡大

Talend株式会社 カスタマーサクセス シニアマネージャー 正金 秀規 氏

 データドリブン経営が叫ばれてすでに久しい。社内のさまざまな業務システムから集めたデータをデータウェアハウスに集約し、BIツールを用いて分析。さらに、その結果をポータルやダッシュボード、レポートなどに展開し、経営陣や業務現場のタイムリーな意思決定を促してきた。この仕組みを支えてきたのがデータ統合連携基盤だ。

 だが、データの価値を共有すべき相手は社内だけにとどまらない。データのバリューチェーンは、社外のビジネスパートナーや、さらにその先の顧客へと広がっている。

 加えて、ビジネスで利活用するデータそのものも拡大している。基幹システムのデータベースに構造化された業務データのみならず、SNSで交わされる消費者の声、Webアクセスログ、IoTの仕組みを通じて各種センサーやスマートデバイスから収集されるデータなど、さまざまなサイトやクラウドに分散するビッグデータを複合的に捉えていく必要がある。

 これまでとは次元の異なるデータ統合連携が求められているのだ。ただ、どんなに環境が変わっても目的は一貫している。Talend カスタマーサクセス担当のシニアマネージャーを務める正金秀規氏は、「お客様は自社のビジネスにおいて、より速く、より最適化された、コスト効果の高い分析を求め、より効果的にデータを働かせることを望んでいます」と語る。そして、「だからこそデータ統合連携ソフトウェアは、一層の進化を遂げなければなりません。それは私たちが提供するTalendも同じです」と強調する。

Talend ONEアーキテクチャーで設計されたiPaaS

 課題となるのは、先述のようなビッグデータを統合し、組織や企業の枠を超えてバリューチェーンでつながるすべての関係者が、必要なデータに容易にアクセスできる基盤、いわゆるデータレイクをどこに作るのかだ。

 もちろんオンプレミスに構築することも可能だが、いつ頃までにどれくらいの容量のビッグデータが集まってくるのかといった将来を予測できず、あたかも澄み切った湖(レイク)のようにデータの鮮度を維持することも容易ではない。「したがって『無限のリソースと拡張性』『使用した分だけの支払い』『俊敏性と迅速な展開』といった特長を備えたクラウドサービスを活用することが、より合理的と私たちは考えます」と正金氏は語る。

 そして、このクラウド上のデータレイクに向けて同社が提供するのが、「Talend Cloud」と呼ぶiPaaS(Integration-Platform-as-a-Services)のサービスだ。

 もともとTalendはHadoopやNoSQL DBをはじめとする分散処理技術を容易に活用できるAPIを備え、オープンな標準技術によって静的データから動的データ、非構造化データまで含めたビッグデータ統合を実現してきた。「この実績を通じて磨かれてきた機能は、クラウドの世界でもそのまま生かすことができます」と正金氏は語る。

 こうしたことからTalend Cloudも「Open/Native/Extensive」のコンセプトに基づくTalend ONEアーキテクチャーで構築されており、「オンプレミス版Talendとの完全互換が保証されています」と正金氏は強調する。設計環境から管理ツールキット、データ品質、データガバナンスにいたるまで、すべての機能が同じ思想をもったユニファイドプラットフォーム上に実装されているのだ。したがってクラウド上のデータレイクでデータ統合を行う際にも、従来の違うツールを導入したり学習したりする必要は一切ない。

データをシンプルに統合して高度なセルフサービスを実現

 さらにTalend Cloudは、iPaaSの概念そのものも進化させた

 従来のiPaaSはそこから提供されるデータの種類や粒度が、人によって細かすぎたり逆に大まかすぎたりなど、ニーズに応えきれないことがあった。これに対してTalend Cloudは、ITデータエンジニア、データサイエンティスト、ビジネスアナリスト、データスチュワード、オペレーター、業務担当者など、さまざまな階層のユーザーの“こだわり”に対応したデータ提供を可能とするアプリケーションが用意されているのだ()。

図 Talend Cloud

 中心となるのはTalend Cloud Data Preparationで、BIツールに引き渡すデータに対して、結合/変換/整形/補完などの迅速な準備処理を行う。「これによってユーザー階層ごとに最適化された、セルフサービスによるデータ分析が可能となります」と正金氏は強調する。

 なお、現在Talend Cloudは、米国、ヨーロッパ、アジア太平洋の3拠点から提供されている。このうちアジア太平洋向け サービスを運用しているのがAWSの東京リージョンであることも、日本企業にとっては大きな魅力ではないだろうか。特にこれまでオンプレミス版TalendをAWSのEC2(IaaS)上で運用してきた企業は、Talend Cloudに切り替えるだけで、大きな作業負担を伴うことなくコスト削減を実現できる。

 また、新たにiPaaSの導入を検討している企業も、ぜひ同社のWebサイトからTalend Cloudの無料試用版を入手することをお勧めしたい。豊富な機能の使い勝手やメリットを30日間にわたってじっくり検証できる。


●お問い合わせ先

Talend株式会社

E-mail:sales.jp@talend.com
TEL:03-6427-6370
URL:https://jp.talend.com/contact

 

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