NTTデータエービックは、金融機関向けパッケージ製品をクラウド上のサーバー仮想化基盤で動作させるにあたり、データベース管理システムをPostgreSQLの商用版「EDB Postgres」に変更する。現在、最終テストを進めており、2019年夏の提供開始を予定している。EDB Postgresの提供元であるアシストとエンタープライズDBが2019年3月25日に発表した。
NTTデータエービックは、地方銀行をはじめとする金融機関に向けて、投資信託や保険の窓口販売などの「預かり資産業務」関連サービスを提供している。同社の金融機関向けパッケージ製品は現在、オンプレミスの物理サーバー環境に導入して利用する形態で提供している。
しかし、顧客からITコストの削減やシステム運用負荷の軽減といった要望を受けており、これを受けて今回、NTTデータエービックのクラウドサービス上で金融機関向けパッケージを動作させるようにした。これにともない、サーバー仮想化環境で動作するように変更した。
サーバー仮想化環境で動作させるにあたり、これまで利用していた商用データベース製品のサポートとライセンス費用が課題となった。代替としてオープンソースのPostgreSQLを検討したが、データベースのコストは抑制できるものの、ストアドプログラムを含むアプリケーションの移行に膨大なコストが発生することが予想できた。
そこで、PostgreSQLの商用版であるEDB Postgresを検討した。EDB Postgresは、これまで利用していた商用データベース製品との互換性の高さをアピールしている。アシストのEDB Postgres専任エンジニアによる支援サービスを活用しながら、主要なアプリケーションの互換性を検証した結果、少ない工数で移行できると判断し、採用を決めた。
EDB Postgresでは、サーバー仮想化基盤で動作させた際に、データベースサーバーに割り当てたCPUコアが課金対象となる。このため、ライセンスコストも抑制できる。また、標準のレプリケーション機能やクラスタ機能によって、信頼性や可用性も確保している。