ジビエ肉(狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉)の処理加工施設である長野市ジビエ加工センターは、ジビエの供給を支える情報システム「ジビエ商品管理システム」を構築した。2019年4月1日の施設開設に合わせて稼働を開始した。システム構築を担当した富士通が2019年4月4日に発表した。
長野市は、野生鳥獣による農作物被害対策の一環で、捕獲したイノシシとニホンジカを新たな地域資源として活用する取り組みを推進している。2019年4月には、ジビエの受入から加工、販売までを一貫して行うジビエ肉処理加工施設を開設した。
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ジビエ商品管理システムは、個体識別番号管理によるジビエの受入から処理加工、適切な在庫・販売管理までを行う、食品トレーサビリティを提供する。これにより、安定的にジビエを供給できるようにする(図1)。農林水産省の「国産ジビエ認証制度」と、長野県と信州ジビエ研究会の「信州産シカ肉認証制度」に準拠する。
長野市はこれまで、ジビエ肉の加工を、民間の専門施設が担っていた。しかし、ジビエ肉は野生鳥獣の狩猟を主軸とするため、安定的な供給や、高品質化、一般消費者からの安心・安全への要求への対応などに課題があった。そこで、市内全域のジビエ肉を一括で運用・管理するジビエ肉処理加工施設として長野市ジビエ加工センターを開設した。
長野市ジビエ加工センターでは、持ち込まれたジビエについて、ジビエ商品管理システムを使い、受入から加工、販売までを一気通貫で個体管理する。これにより、精度の高いトレーサビリティを確保する。消費者に対しては、ジビエ肉の詳細情報を、商品ラベルのQRコードを通じて公開する。
システム構築を手がけた富士通は今回、畜産農家向けサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド Akisai 肉牛生産管理SaaS」のノウハウをベースに、捕獲状態などに応じた管理への対応などジビエ特有の個体管理機能を構築した。
さらに、6次産業化に取り組む生産法人向けサービス「Akisai 農産加工販売SaaS」で得たノウハウを活用して、加工から販売過程のシステムを構築した。これにより、ジビエの受入から加工、販売までを一元管理するシステムを実現した。
●Information
「富士通フォーラム2019」開催決定、今年のテーマは
「Human Centric Innovation : Driving a Trusted Future」
2019年5月17日(金)/東京国際フォーラム(有楽町)/イベント公式サイト
富士通フォーラムとは──
デジタル時代の信頼を実現する最先端のテクノロジーと、デジタル技術を活用し業種・業務を超えた共創の取り組みを幅広く紹介する富士通の年次イベント。
主なプログラム──
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