ServiceNow Japanは2019年7月25日、国内のソフトウェアベンダーがServiceNow上で開発したアプリケーションをアプリストアなどを介して購入できる仕組み「ISVプログラム」を発表した。ユーザーは、ServiceNowを基盤として利用したアプリケーションをこれまで以上に入手しやすくなる。さらに、国内にデータを保管できるように、東京と大阪の2カ所にデータセンターを開設した。
ServiceNow Japanは、ITSM(ITサービス管理)を中核に、カスタマーサービスや業務ワークフローなどのアプリケーションをSaaS型クラウドサービスとして提供している(関連記事:業務ワークフローをGUIで開発できるクラウドサービス、ServiceNowがIT運用以外の領域に注力)。
特徴は、業務アプリケーションの開発基盤(PaaS)である「Now Platform」をベースに据えていること。このPaaS基盤を利用してITサービス管理やカスタマーサービスなどのSaaSを構築・提供している。ユーザーは、SaaSを利用するだけでなく、PaaS機能を使って任意のワークフローシステムを開発できる。
今回、国内のソフトウェアベンダーがServiceNowのPaaS機能を使って開発したアプリケーションをユーザーが購入できる仕組みを用意した。具体的には、新たなパートナー施策「ISVプログラム」などを用意した(図1)。
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さらに、データセンターも国内2カ所(東京と大阪)に開設した。ServiceNowのデータセンターを国内に設立するのは今回が初めて。ServiceNowのデータを国内に保存できるようになったことから、データを海外に保存できないユーザーにも利用できるようになった。ユーザーは、東京と大阪のどちらかを選んで利用できる。もう一方の拠点でバックアップする形になる。
国内ソフトウェアベンダー製ソフトをアプリストアで購入可能に
ISVプログラムの下でソフトウェアベンダーができることは2つある。1つは、ServiceNowのPaaS機能を使って開発したアプリケーションを、ServiceNowのアプリストア「ServiceNow Store」を介して販売できること。もう1つは、ServiceNowの機能をソフトウェアベンダーにOEM(相手先ブランドによる生産)供給し、ベンダーのブランドでアプリケーションを販売できることである。
国内のベンダーが開発したアプリケーションをアプリストア経由で販売するのは、今回が初めてである。これまでも、海外のソフトウェアベンダーが開発したアプリケーションは、アプリストア経由で購入可能だった。国内のベンダーが開発したアプリケーションについては、課金の仕組みなどがなく、販売できていなかった。
発表会では、ISVプログラムを利用してアプリケーションを販売する国内ソフトウェアベンダー3社が登壇した(写真1)。
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ウイングアーク1stは、帳票ソフト「SVF」で開発した帳票をServiceNowに組み込むソフトを販売する。ロココは、人事アプリケーション(人事申請ワークフロー、目標管理、研修管理、タレントマネジメント)を販売する。システムサポートは、ServiceNowのログを集約してシステム管理やセキュリティ管理に利用できるようにするコンポーネントを販売する。
ISVプログラムとは別のパートナー施策として、「サービス・プロバイダープログラム」も今回新たに提供する。ServiceNowのリセール(再販)プログラムの一種だが、通常のリセールとは異なり、小規模ユーザー向けにServiceNowをマルチテナント化して廉価版として販売できる。ユーザーは、これまで以上に安価にServiceNowを利用できるようになる。