日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2019年9月24日、同社が販売するHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)製品「HPE SimpliVity」に新機種を追加したと発表した。従来機種よりも価格を39%下げて購入しやすくした「HPE SimpliVity 325 Gen10」(価格は税別で411万6000円から)と、バックアップ用途専用にHDD/SSDハイブリッド構成として容量(TB)単価を36%下げた「HPE SimpliVity 380 Gen10 Backup and Archive node」(898万円から)である。いずれも同年9月24日に販売を開始した。
HPE SimpliVityは、同社のHCIアプライアンス製品ブランドである(関連記事:HPE、重複排除をハードで処理するハイパーコンバージド「SimpliVity」を出荷)。HCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)とは、分散ストレージソフトウェアとサーバー仮想化ソフトを組み合わせたスケールアウト型の仮想化基盤のこと。複数のPCサーバーがそれぞれ内蔵しているストレージを束ねて、1つの巨大な外部共有ストレージのように扱える。ノード(PCサーバー)を増設することによって、CPU処理能力とストレージ容量が増えるので、収容可能な仮想サーバー台数を増やせる。
HPE SimpliVityは、HPEが販売しているHCI製品の中では後発となるブランドで、2017年に買収した米SimpliVityの技術を流用した製品シリーズである。他のHCI製品との最大の違いは、より多くのデータを格納できるようにする重複排除/圧縮機能を搭載していること。従来機種では、重複排除/圧縮をハードウェアアクセラレータ(FPGA)で高速に実行する。サーバー仮想化ソフトとして、VMware vSphereかHyper-Vを利用できる。最小構成で2ノード(PCサーバー2台)から運用できる。
HPE SimpliVityの重複排除機能の特徴は、データの重複を判定する粒度(単位)が8KBと細かいこと。これにより、リソース削減効率が高くなる。重複排除を有効に活用する機能の1つとして、HPE SimpliVity同士の間でデータをコピーするデータバックアップ機能を提供している。重複排除ストレージと同様に、仮想サーバーイメージのコピーやバックアップを高速に完了させることが可能だ。
今回、既存機種よりも安価に導入できる2つの新機種を追加した(図1)。さらに、ストレージの稼働状況をリモートで監視/分析するクラウドサービス「HPE InfoSight」で管理できるようにした。HPE InfoSightは、ストレージの監視データをもとに、ストレージやネットワークやサーバーの障害の発生を予知して未然に防ぐことができるサービスである。今回、HPE InfoSightで管理できる製品にHPE SimpliVityを追加した形である。
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