[市場動向]
「日本企業が本来のDX推進に向かうために」─日本マイクロソフトがDX支援組織の活動を紹介
2020年1月24日(金)藤本 京子
日本マイクロソフトの「クロス(X)インテリジェンスセンター」は、同社の既存顧客/潜在顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進支援を担う専門組織である。このセンターを拠点に、マイクロソフトはどんな目的、方針、メソッドの下でユーザーのDX推進をサポートしているのか。同社は2020年1月23日、プレスを集めた説明会を開き、同センターの活動状況を説明した。
国内企業の課題解決に特化した、日本独自のDX支援組織
日本マイクロソフトがクロス(X)インテリジェンスセンターを立ち上げたのは2019年6月。センターの所属人数は非公開だが、専門性を持つメンバーが集結して、顧客のDXをサポートしている。同社の執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長の手島主税氏(写真1)は、同センターの役割を次のように説明する。
「例えば、個別にデータがサイロ化されていたり、プロセスが別々に存在していたり、各社ではそんなさまざな課題を抱えています。そこに、探索的なアプローチを用いてプロジェクトを推進するのが当組織。データや得られるインサイトを活用するためのアーキテクチャを検証しています」
クロスインテリジェンスセンターは、日本マイクロソフトが独自で立ち上げた取り組みで、日本の顧客の課題を解決するためのセンターに特化している。DXの推進も、国・地域によって課題や環境は当然異なるが、「本社からの期待も大きいため、各業界ごとに成功事例を作って、グローバルにも発信」(同氏)という。
センター長は、同社 クラウド&ソリューション事業本部 クロスインテリジェンスセンター クロステクノロジーアーキテクトの吉田雄哉氏(写真2)が務める。吉田氏は、情報処理推進機構(IPA)の「DX推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」の結果を示して、現在の国内企業におけるDX推進の実態を指摘した(図1)。
「DXの本来の目標は、新規製品やサービスの創出であるはずです。なのに、DXを推進する企業の中でこの分野に取り組んでいるのは47.8%と半数程度。現在のDXの主流は、業務効率化による生産性向上に向けた取り組みが中心になっています」(吉田氏)
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