昭和電工(現レゾナック)は2020年2月6日、生産設備などの投資に対する社内審査を効率化するため、AIを活用した類似文書検索システムを構築したと発表した。2020年1月末から稼働を開始している。本稼働前の導入テストでは、類似案件の検索から類似性判断までの時間を、従来の10分の1近くまで短縮できることを確認した。
昭和電工は、生産設備の新設・維持・更新に対する投資判断にあたって、過去に実施した投資案件の財務的効果や稼働状況など、多くの視点で審査を行っている。生産技術とエンジニアリング上の妥当性を審査する際には、過去約20年間の、累計2000件を超える審査で得られたノウハウを活用している。
一方、これまでの投資判断審査では、蓄積したデータを十分に活用できていなかった。複数の文書データベースや複数の文書ファイルを対象に、キーワードで検索していたため、情報の絞り込みが難しかった。また、類似性の判断においては、審査員の経験に依存するところが大きかった。
こうした経緯から、AIを用いたデータベース検索システムを導入した(図1)。これにより、審査員の経験に依存することなく、過去の類似案件を抽出できるようになった。過去の審査で蓄積した設備の安全・安定稼働に関わる視点を、有効に活用できるようになった。
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