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[技術解説]

「テレワークの実施レベルを把握し、対象者を適切に定めよ」―5つの失敗要因をガートナーが指摘

2020年3月13日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ガートナー ジャパンは2020年3月12日、コラボレーションと勤怠管理の観点から、オフィスワーカー向けにテレワークを推進する際の注意点を解説した。実施レベルにあわせてテレワークの対象者を適切に決めることが大切だとしている。また、国内企業のテレワークが失敗する要因として、資料が自宅から閲覧できないなど、5つの課題を挙げて解説している。

 ガートナー ジャパンが、オフィスワーカー向けにテレワークを推進する際の注意点を指南している。テレワークの実施段階には6つのレベルがあり、自社にあった適用範囲(対象者)を定めることが重要だとした。また、テレワークが失敗する要因として、資料が自宅から閲覧できないなど、5つの課題を挙げて解説している。

 背景として同社は、テレワークの運用や勤怠管理の実施方法について同社への問い合わせが増えている状況を挙げる。2019年に実施した企業向けIT利用動向調査では、従業員数2000人以上の大企業のうち、テレワークのインフラと制度を整備した企業は8割を超えていた。しかし、テレワーク制度を導入している大企業の中には、実際の運用に尻込みするところも見られるという。

 ガートナー ジャパンのバイスプレジデント/アナリストの志賀嘉津士氏は、「テレワークは、一朝一夕に成功するものではない。ビジネス文化や習慣、マネジメント層の意識改革も求められる。テレワークの本質を理解し、いかにすればスムーズに実施できるかを考える必要がある」と指摘している。

テレワークの実施レベルを把握し、対象者を適切に定めよ

 テレワークを成功させる方法は、自社のテレワークの準備体制がどのレベルにあるかをチェックし、無理のない適用範囲 (対象者) を設定することである、とガートナーは説く。新型肺炎の感染拡大を防ぐ上では、スピード感を持って一気に進めることが重要だが、「何とかなるだろう」と強引に進めてしまうと、業務が滞る恐れがあるからだという。

 まずはオフィスワーカーの業務内容によるテレワークへの移行難易度を理解したうえで、テレワークの対象者を設定する。ガートナーでは、テレワークの実施段階を6つのレベルに分類している(図1)。2019年4月に働き方改革関連法が大企業を対象に施行されて以降、多くの企業がテレワークを採用しているが、最も多く見られるのはレベル1に相当する企業だという。

図1:テレワークの実施段階(レベル別)(出典:ガートナー ジャパン)図1:テレワークの実施段階(レベル別)(出典:ガートナー ジャパン)
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 志賀氏は、「緊急措置としてテレワークを導入する場合、難易度の低いものから難しいものへと時間をかけて進める必要はない。全社一律に、準備が整うまで石橋を叩いて渡るアプローチではなく、個々の対象ごとに状況やリスクを評価し、可能なところから速やかに着手することを考慮すべき」と指南する。

 ガートナーは、国内企業のテレワークが失敗する要因を5つ挙げている。

●Next:国内企業のテレワークが失敗する5つの要因

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