NECは2020年4月15日、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)製品「NEC Hyper Converged System」のラインアップを拡充した。新たに、HCIソフトウェアとしてAzure Stack HCIを搭載した機種を用意した。既存のVMware vSAN搭載機種とともに2ラインアップ構成とした。Azure Stack HCIの特徴は、仮想サーバーごとのWindows Serverライセンスが不要なことである。
NECは、HCI製品の新機種「NEC Hyper Converged System for Microsoft Azure Stack HCI」を用意した(写真1)。HCIを実現するソフトウェアとして「Azure Stack HCI」(Windows Server 2019 Datacenter)を採用している。特徴は、仮想サーバー上で動作させるWindows ServerのOSライセンスが仮想サーバー台数に寄らないこと。ハードウェアリソースが許す限り、一定のライセンス料金のままWindows Server搭載の仮想サーバーを無制限に増やせる。

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Azure Stack HCI搭載機種は、ハードウェアスペックなどに応じて、3モデルで構成する(価格はいずれも税別)。「スタンダードモデル」(高さ1Uラックマウント)は、最小構成2ノードで760万円から。ストレージ容量を重視した「大容量モデル」(高さ2Uラックマウント)は、最小構成2ノードで826万9400円から。いずれも、追加1ノード単位で増設できる。2020年4月15日から出荷する。
ノードの増設ができない廉価モデル「2ノードエントリHCIモデル」も用意した。価格は2ノード構成で298万円から。2020年5月末から出荷する。
なお、NECは、今回追加したAzure Stack HCI搭載機種のほかに、VMware vSAN(サーバー仮想化ソフトウェアであるVMware ESXiのカーネルに組み込まれた分散ストレージソフトウェア)搭載機種を提供している(関連記事:NECがハイパーコンバージドを製品化、システム構成やソフトを柔軟に変更可能)。
HCIは、サーバー仮想化ソフトと分散ストレージソフトを組み合わせたアプライアンスサーバーのこと。サーバー機の増設によってシステム規模を拡張し、収容できる仮想サーバー台数を増やせる。分散ストレージソフトウェアによって、サーバー内蔵ストレージを、複数サーバーをまたがった共有型の外付けストレージ装置として利用できる。