NECは2017年10月19日、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)の新製品「NEC Hyper Converged System」を発表した。最大の特徴は、検討から導入後まで、ユーザーの要件に合わせてシステム構成やオプションサービスなどを柔軟に組み合わせられることである。2017年11月27日から提供する。
HCIは、サーバー仮想化ソフトと分散ストレージソフトを組み合わせたアプライアンスサーバーである。サーバー機の増設によってシステム規模を拡張し、収容できる仮想サーバー台数を増やせる。分散ストレージソフトにより、サーバー内蔵ディスクを、複数サーバーをまたいだ共有型の外付けストレージ装置として利用できる。
今回NECが発表したNEC Hyper Converged Systemは、NECのHCIアプライアンスである。最大の特徴は、ユーザーの要件に合わせてシステム構成を柔軟に組み替えられることである。CPU性能やストレージ容量などのハードウエア仕様を選べるほか、分散ストレージソフトも選べる。さらに、構築サービスや、バックアップなどのオプションを組み合わせることができる。
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PCサーバーは、NECの「Express5800シリーズ」を使う(価格は税別)。ベースとなるPCサーバーに応じて3種類を用意した。モジュラ型サーバーを利用した「高密度モデル」(Express5800/D120hベース)は、478万6000円から。ラックマウント型の「スタンダードモデル」(Express5800/R120h-1Mベース)は、502万3000円から。ラックマウント型の「大容量モデル」(Express5800/R120h-2Mベース)は、520万6000円から。
サーバー仮想化ソフトと分散ストレージソフトについては、VMware vSAN(サーバー仮想化ソフトであるVMware ESXiのカーネルに組み込まれた分散ストレージソフト)、またはMicrosoft Storage Spaces Direct(Windows Serverの機能で、分散ストレージを構成できる。Hyper-Vと合わせてHCIを構成できる)を選べる。
基盤構築サービスやバックアップ機能などを組み合わせられる
HCIアプライアンスと組み合わせて利用するサービスの1つとして、「NEC Hyper Converged System 構築サービス」(82万円から)を用意した。すぐに仮想化基盤を導入できるので、システム導入までの期間を短縮し、業務アプリケーションの構築などに集中できるようになる。
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専用の管理コンソールとして「NEC Hyper Converged System Console」も用意した。製品に標準で添付する。仮想化基盤、仮想ストレージ、仮想サーバーのすべての状態を簡単に管理できるほか、起動、停止など仮想サーバーの操作も可能である。システム全体を安全にワンクリックで停止できる機能を提供する。
「NEC Hyper Converged System Backupオプションキット」(180万円)は、データバックアップ機能を提供するオプションである。リアルタイムでのデータ重複排除・圧縮機能を提供し、バックアップデータのサイズを1/20に削減できる。データの暗号化によるデータ保護機能や、安価な回線でも大容量データの遠隔転送を可能とするWAN最適化機能などを搭載した。
「NEC Hyper Converged System サポートサービス」(53万9000円から)は、ハードウェア保守とソフトウェア保守をワンストップで対応する保守サービスである。関連サービスとして、ユーザーのサーバー環境に基づいて仮想化基盤の提案を無料で行う「仮想化アセスメントサービス」や、異なる仮想化基盤の間で仮想サーバーを無停止で移行できる「Zerto仮想サーバ移行サービス」(個別見積もり)を提供する。