鉄飛テクノロジーは2020年4月27日、QRコードを印鑑の印影に利用する電子印鑑「QR角印」を考案し、基本技術をオープンソースソフトウェアとして公開した。特徴は、ただの印影よりも複製が難しいというメリットと、電子署名とは異なり印刷して紙として流通させられるというメリットを併せ持つことである。
鉄飛テクノロジーは、QRコードを印鑑の印影に利用する電子印鑑「QR角印」の基本技術をオープンソースソフトウェアとして公開した。QR角印システムのソースコード、作成サンプル、運用シナリオなどのガイドライン、インストール/設定手順、などの情報を公開した。
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QR角印は、押印日時や押印者などの情報を埋め込んだQRコードを印影の中心に配置し、これを社名などの文字で囲った、角印と同じサイズの電子印鑑である(図1)。日本の企業間取引の認印として広く使われている角印を代替するために開発した。
QR角印は、画像ファイルとして印影を生成し、文書作成ソフトやPDFファイルに貼り込んで使用する。請求書や見積書などの帳票作成システムからQR角印生成システムを呼び出し、生成されたQR角印の印影を含む帳票PDFファイルを出力することを想定している。生成したQR角印をOffice(Excel/Word)で作成した帳票に貼り付け、ここから印刷またはPDF出力して運用することもできる。
QRコードをスマートフォンのカメラで読み取ると、QR角印の押印者が運営する押印情報Webページにアクセスし、押印日時や注文番号・見積番号などの情報を参照できる。「QRコードは、その都度生成する唯一無二のものなので、単に角印を画像化したデジタル印鑑とは異なり、複製される恐れがない」(同社)。
また、電子署名とは異なり、電子データではなく印刷イメージで帳票を流通させられる。QRコードをカメラで読み取れればそれでよいため、帳票は、電子文書としてやり取りして画面上で閲覧する使い方も、紙に印刷して郵送やファクスで送付する使い方もできる。