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日本IBM、新たな金融サービスを短期間で開発できるミドルウェア基盤「DSP」を提供

先行事例では、開発コストが40%減、提供スピードは30%向上

2020年6月16日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日本IBMは2020年6月16日、勘定系システムとデータ連携する新たな金融サービスを短期間で開発するためのミドルウェア基盤「金融サービス向けデジタルサービス ・プラットフォーム(IBM Digital Services Platform for Financial Services、以下、DSP)」を発表した。IBM Cloud上でクラウドサービスとして提供する。同日提供を開始した。

 金金融サービス向けデジタルサービス ・プラットフォーム(DSP)は、デジタル技術を活用した新たな金融サービスを短期間で開発するためのミドルウェア基盤である(図1)。金融サービスに共通する機能をAPI化したほか、基幹システムとのデータ連携アダプタを用意した。銀行などの金融機関に向けて、クラウド型で提供する。

図1:金融サービス向けデジタルサービス ・プラットフォーム(DSP)の概要。金融サービスに共通する機能をAPI化したほか、基幹システムとのデータ連携アダプタを用意した(出典:日本IBM)図1:金融サービス向けデジタルサービス ・プラットフォーム(DSP)の概要。金融サービスに共通する機能をAPI化したほか、基幹システムとのデータ連携アダプタを用意した(出典:日本IBM)
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 日本IBMによると、金融サービスの開発にDSPを適用した先行事例では、開発コストが40%減り、サービスの提供スピードが30%向上した。

 DSPは、業務マイクロサービス、基幹系連携機能、DSP基盤の3つで構成する。

 業務マイクロサービスは、金融アプリケーション開発において共通・重複する機能、すなわち認証、諸届、口座照会、振替、資金移動といったサービスを実行するための共通サービス部品である。APIとして利用できる。2020年5月現在で81種類を用意した。2020年内に147種類、2021年3月までに181種類に増やす。

 基幹系連携アダプタは、勘定系システムなどバックエンドシステムとのデータ連携機能を提供するデータ連携アダプタである。フロントエンドの金融アプリケーションを開発する際に、その都度バックエンドシステムに手を入れる必要がなくなる。プラグイン方式で利用できる。

 なお、DSPはRedHat OpenShift上で稼働するため、開発した金融サービスは、オンプレミスやパブリッククラウドなど各種のシステム基盤で稼働する。

 2021年3月からは、日本IBMのパブリッククラウド「IBM Cloud」上で、DSPをマネージドサービスとして提供する。ユーザーの要望に応じて、オンプレミスやマルチクラウド上で専用環境を構築するなど、銀行独自または共同化の形式で基盤を運用することもできる。

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