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[調査・レポート]

中堅企業の1割はテレワークの継続を断念、ツールの習熟度などに課題─デル調査

2020年8月4日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

デル・テクノロジーズは2020年8月4日、中堅企業のIT投資動向に関する分析結果を発表した。テレワークや在宅勤務を実施した企業は63.9%に上るが、今後テレワークを継続する企業は54.1%に留まり、約1割(9.8%)の企業がテレワークの継続を断念している。

 デル・テクノロジーズは、2020年1月と6月の2回に分けて、従業員100人以上1000人未満の中堅企業(約470社)を対象に、IT投資動向に関するアンケート調査を実施した。2020年1月調査の結果と、6月調査の結果を比較し、テレワークの実施率の変化や、IT投資額の変化などを調べた。

 テレワーク・在宅勤務を実施した企業は、6月調査の段階で63.9%に上る。1月調査(25.1%)と比べて38.8%増えた。しかし、テレワーク・在宅勤務を実施した企業のうち、今後もテレワークを継続する企業は54.1%に留まる(図1)。約1割(9.8%)の企業は、テレワークを断念する。

図1:2020年6月調査では、テレワーク・在宅勤務を実施した企業は63.9%に上る。しかし、テレワーク・在宅勤務を実施した企業のうち、今後もテレワークを継続する企業は54.1%に留まる。約1割(9.8%)の企業は、テレワークを断念する(出典:デル・テクノロジーズ)図1:2020年6月調査では、テレワーク・在宅勤務を実施した企業は63.9%に上る。しかし、テレワーク・在宅勤務を実施した企業のうち、今後もテレワークを継続する企業は54.1%に留まる。約1割(9.8%)の企業は、テレワークを断念する(出典:デル・テクノロジーズ)
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ITリテラシに難、リモートアクセス環境も未整備

 テレワーク・在宅勤務を継続しないと回答した企業は、テレワークの課題として、「コミュニケーションが難しい・時間がかかる」、「チャット・Web会議ツールなどの習熟度に個人差があり業務の円滑な進行を妨げる」を挙げている(図2)。ITリテラシのギャップが露呈している。

図2:テレワーク・在宅勤務を継続しない主な原因。ITツールの習熟度が低いことや、リモートアクセス環境が整備されていないこと、などがある(出典:デル・テクノロジーズ)図2:テレワーク・在宅勤務を継続しない主な原因。ITツールの習熟度が低いことや、リモートアクセス環境が整備されていないこと、などがある(出典:デル・テクノロジーズ)
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 テレワークを実施済みにも関わらず、オフィスへのアクセス環境が準備されていないためにメール以外の社内システムに接続できていない企業が、全体の60.7%を占めた。オフィス出社と同等レベルの業務を継続するために必要な投資が行われていない実情がある。

 IT担当者の業務の割合では、ヘルプデスクを含むPC導入・管理、ネットワーク運用・管理、情報セキュリティ管理に割かれる時間が、テレワークによって全体で10%以上増えている。テレワークが進む一方で、IT担当者の運用負荷が増加している実態がある。

テレワークにともないセキュリティ対策への投資が進む

 2020年度の年間IT投資額は、1月調査の平均(1470万円)から6月調査の平均(1495万円)へは1.0%増であり、ほぼ据え置き。内訳は、セキュリティ対策費用が198万円(22.9%増)、BCP(事業継続計画)対策費用が105万円(4.0%減)である。

 Windows 10に移行済みの企業は、53.8%(27.3%増)と大幅に進捗した。OS刷新をともなうノートブックPC化に加え、テレワーク実施にともなうセキュリティ対策への投資が進んでいる。一方、BCPを策定済み・策定中の企業は45.7%で4.0%減っており、投資には至っていない。

●Next:テレワークの課題を解消する製品・サービスを提供

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