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日立とPTC、製造業のバリューチェーンで協業、製品トレーサビリティなどを確立

2020年8月21日(金)IT Leaders編集部

日立製作所とPTCジャパンは2020年8月20日、製造業における製品の企画・設計から調達、生産、保守サービスまでのバリューチェーンをつないで最適化するITサービスの提供に向けて協業すると発表した。製品トレーサビリティなどを確立する。

 製造を中心としたサプライチェーン領域でITサービスを提供している日立製作所と、製造業のエンジニアリングチェーン領域で製品やコンサルティングの経験を持つPTCジャパンが協業する。

 協業の最初の取り組みとして、国内の製造業を対象に、共同で事業を展開する。現在、大手工作機械メーカーであるオークマをユーザーに、サプライチェーン領域とエンジニアリングチェーン領域を組み合わせてノウハウをデジタル化する提案に取り組んでいる。

 両社が協業して提供するITサービスでは、バリューチェーン全体の製品トレーサビリティを確立する(図1)。これにより、製品に不具合が発生した際に、対策や影響範囲を迅速かつ正確に特定できるようにする。

図1:バリューチェーン全体で製品トレーサビリティを確立するユースケースのイメージ図(出典:日立製作所、PTCジャパン)図1:バリューチェーン全体で製品トレーサビリティを確立するユースケースのイメージ図(出典:日立製作所、PTCジャパン)
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 PTCジャパンの「Windchill」と「ThingWorx」、日立製作所の製造実行システム、「IoTコンパス」、「サプライチェーン最適化サービス」などを活用し、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンのデータをつなぐ。

 データに基づくエビデンスベースで製造プロセスを改善し、製品を改良する。 収集したデータを基に、日立のAI技術やビッグデータ解析技術を活用し、バリューチェーン全体のデジタルツイン化などを実現する。需要に合わせた適切なタイミングで調達・生産・保守計画を変更するといったことを実現する。

 PTCジャパンAR基盤「Vuforia」も活用する。リモートから現場の製造プロセスを改善したり、保守業務を効率化したり、エンジニアに教育を施したりできる。リモートワークの拡大に貢献する。

 背景として両社は、1つの企業での業務内・工程内の個別最適化だけでなく、製品の企画・設計から生産、保守サービスまでのバリューチェーンをつなぎ、全体を最適化するオペレーションが求められている状況を挙げる。

 これまで日立とPTCジャパンは、住友ゴム工業のタイヤ生産システムを共同で構築するなど、プロジェクトごとに連携していた。今回、両社の技術や製品、スキルを組み合わせ、サプライチェーンとエンジニアリングチェーンを融合したITサービスを提供することにした。

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