ラックは2020年8月25日、テレワークの課題と対処を記した解説書「テレワーク導入便覧」を公開した。ラック自身の取り組みを経て明確になった課題と解決のポイントを整理した。
ラックは、2017年から働き方を改革し、現在では70%以上の社員が完全テレワーク勤務である。ここに至るまでは、会社の制度や機器の整備、社員の意識改革など、トップダウン・ボトムアップ両面での取り組みが必要だった。
今回公開した「テレワーク導入便覧」は、テレワークの課題と対処を記した解説書である(公開ページ)。ラックが自社の取り組みを経て明確になった課題と解決のポイントを整理した。実際の経験に基づいた知見を提供する。
これからテレワークを定着化させようとする企業に向けて、初期の検討をスムーズに進めたり、上手くいかない原因を考えたりするためのヒントを提供する。具体的な内容は、以下の通り。
- はじめに
- 「テレワークの導入」は、企業戦略そのもの
2.1 事業内容
2.2 業務管理
2.3 社員意識
2.4 コスト・効果 - テレワークを実現する技術
3.1 テレワーク基盤の整備
3.1.1 テレワーク向けの機器を用意
3.1.2 通信環境の準備
3.2 テレワークの課題対策
3.2.1 情報システムの利用
3.2.2 業務システムの利用
3.2.3 会議やコミュニケーションの維持
3.2.4 営業活動のオンライン化
3.2.5 業務や勤怠管理
3.2.6 ペーパーレス化と押印対応
3.2.7 電話対応のリモート化
3.2.8 来客対応の無人化
3.2.9 部材管理と棚卸
3.2.10 データの管理
3.2.11 企業内ITのサポート業務
3.2.12 リモートオフィス・カフェの利用 - テレワーク導入によるセキュリティリスクと対策
4.1 テレワークにおけるセキュリティ対策
4.1.1 マルウェアによる感染被害への対策
4.1.2 端末の紛失や盗難に対する対策
4.1.3 情報の窃取
4.1.4 不正アクセスへの対策
4.1.5 外部のサービスを利用するときの対策
4.2 テレワーク時のセキュリティを支えるソリューション群 - まとめ
背景について同社は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いていることを挙げる。「事業活動の継続にテレワークは有効な手段だが、オンライン化できない業務の存在や、人の管理やコミュニケーションの難しさから従来のやり方に戻してしまう企業も少なくない」(同社)。
ラックが取引先企業を対象に実施した調査では、緊急事態宣言で90%以上の企業がテレワークを実施したものの、解除後のテレワーク継続は約70%に減った。ラックのコンサルティングパートナーであるクロスリバーの調査によると、テレワークを全面採用する企業は26%まで低下している。