IDC Japanは2020年9月25日、国内システム/サービス管理ソフトウェア市場の2019年の実績と2020年~2024年の予測を発表した。2020年の国内システム/サービス管理ソフトウェア市場は、前年比0.2%減の2860億2000万円になる見込み。2019年~2024年のCAGR(年間平均成長率)は4.1%で、2024年の市場規模は3509億5100万円になる。
IDC Japanは、国内システム/サービス管理ソフトウェア市場の2019年の実績と2020年~2024年の予測を発表した(図1)。2020年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による景気後退により、ITシステムの新規導入や更改の中止や凍結が増えた。この結果、システム/サービス管理ソフトウェアの新規導入も減少する。
2021年からは、新型コロナウイルス感染症の感染が収束に向かう。経済は、回復基調に入る。ITシステムの導入や更改への投資も回復する。市場は、2021年からプラス成長に転じると、IDC Japanは予測する。オンプレミスとクラウドが混在したハイブリッド環境が拡大し、ITシステム環境の複雑化が進んでいく中、ITシステム管理の高度化が進んでいくと見ている。
例えば、ログやメトリクスなどIT運用に関連する情報を分析して改善を図る「ITオペレーション分析」の活用拡大、AIを組み込むんで分析精度を向上させたり障害を予測したりする「AI Ops(AI for IT Operations)」の導入が、今後の市場を促進する。RPA(ロボットによる業務自動化)とシステム/サービス管理ソフトウェアを組み合わせることによって、IT運用の省力化や自動化を図る企業も増える。
ITシステムやITサービスの管理機能をクラウドサービスとして提供する「システム/サービス管理SaaS」市場が、高い成長を続けている。2019年は、前年比44.2%増の158億8500万円となり、2020年は前年比24.9%増の198億3900万円を見込む。2019年~2024年のCAGRは26.5%、2024年には513億7700万円に達すると、IDC Japanは予測する。
なお、同市場予測は、2020年5月末時点における新型コロナウイルス感染症の影響および見通しを考慮している。