米Teradataの日本法人、日本テラデータは2020年11月18日、説明会を開き、同社のデータ分析基盤「Teradata Vantage」の動向と、調査結果に沿ったデータの重要性について説明した。Teradata Vantageは同年10月から、動作環境としてAWSとMicrosoft Azureに加えてGoogle Cloudをサポートしたほか、クエリー単位の従量課金を選べるようになっている。
日本テラデータは、SQLデータベースに各種のデータ分析エンジンを統合したデータ分析基盤ソフトウェア「Teradata Vantage」を提供している(関連記事:日本テラデータが分析基盤ソフト「Teradata Vantage」を提供、データ分析のサイロ化を解消)。ハイブリッド/マルチクラウドに注力しており、IaaS型パブリッククラウド上で運用サービス付きのクラウドサービスとしても利用できる。
直近では、2020年10月、動作環境にGoogle Cloudを追加し、従量課金オプションを開始した(関連記事:日本テラデータ、データ分析基盤をAWS/Azure/GCPのマルチクラウドで提供、従量課金モデルも開始)。ユーザーはクラウド基盤として、これまでのAWS、Microsoft Azureに加えてGoogle Cloudを選択でき、ライセンスオプションとして、クエリー単位の従量課金で利用できる。
「データの価値と重要性が高まっている」と指摘するのは、米テラデータで社長兼CEOを務めるスティーブ・マクミラン(Steve McMillan)氏である。米Teradataが2020年9月に英Vanson Bourneに委託して実施したユーザー調査では、ビジネスリーダーの90%が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生以降、意思決定プロセスにおけるデータの重要性が増していると回答したという。また、ビジネスリーダーの82%は、パンデミックの直接的な結果として、データと主要なビジネス機能のクラウドへの移行が加速していると答えた。
大規模システムへとスケール可能、費用はスケールに比例
同社はTeradata Vantageの導入メリットとして、性能や容量のスケーラビリティ(拡張性)が高いことを挙げている。利用にかかる費用も、性能や容量のスケールに比例して増えていく(図1)。スケールが大規模になるほど、他社製品よりも安価に使えると同社はアピールする。同社によると、他社製品はスケールを高めていくに連れてコストが急激に上がるという。
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Teradata Vantageはスケールの調整が容易だと、米Teradataで最高製品責任者(CPO)を務めるヒラリー・アシュトン(Hillay Ashton)氏は強調する。
クエリー数やユーザー数、データ量など個々の要素に対する需要が増大しても、他の要素における性能が下がらない、とアシュトン氏は説明(図2)。これに対して他社のデータ分析製品は、ユーザー数が増えると処理できるクエリーの数が減るなど、要素同士の性能が相互に依存してしまっているとした。
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