[市場動向]

富士通の役員経験者などOBがアドバイザー企業を設立、企業のIT戦略立案やデジタル化への貢献を目指す

2020年11月24日(火)杉田 悟(IT Leaders編集部)

富士通の役員経験者などOBがIT/デジタルに関するアドバイザリー企業、ナレッジピース(knowledge piece)を立ち上げた。既存のITコンサルティング会社やSIerでは満たしきれないニーズに対し、ITベンダーや製品ベンダーからは独立した立場で、一般企業に寄り添うかたちでアドバイザリーサービスを提供する。社名には、一般企業に足りないノウハウや知識、経験のピース(かけら)を提供するといった意味を込めたという。

企業の立場で考えてくれるコーチ的存在に

 ITサービスの調達やプロジェクト運営、事業部門や経営陣の説得、セキュリティ方針の策定や体制構築…。IT/デジタル案件の専門分化が進み、件数も増える中、「適材適所の専門家がいれば」と思えるシーンは多い。専門人材の少なさは、豊富なスタッフを擁する一部の大企業を除き、多くの企業に共通する課題だからである。

 だからといってITコンサルティング会社やITベンダーに頼もうとすると、それぞれ ”帯に短し襷に長し”の問題がある。前者は企業全体に関わる大きなテーマならまだしもそうでない場合は料金が合わなかったり敷居が高い、後者はベンダーが扱うソリューションを押しつけられがちだし、何よりも要件が決まった仕事なら依頼しやすいが相談はしにくいことがある。例外は当然あるにせよ、自社の立場で一緒に考え、伴走してくれるコーチ的な存在にはなりにくいのだ。

 一方でITベンダーを早期または定年を機に退職し、その後は特にどこかの企業に所属する機会のない独立・自営のITプロフェッショナル人材が増えている。一般企業でシステム部長やCIOを務めたIT専門人材も同様で、まだまだ十分に活躍できるはずなのにせっかくの知識や知見、経験、スキルを生かせているとは言えない人材は少なくない――。

 このような、ある種のミスマッチを解消し、どんな企業にも欠かせないIT化やデジタル化をサポートするべく、富士通のOBらが中心になって2020年11月6日に設立したのがナレッジピースである。同社は、大きく2つの側面の活動を行う。1つはITプロフェッショナル人材を集めて相互交流や研鑽の場としてのコミュニティを運営し、企業へのアドバイザーとして活動する人材を増やすことだ。

 というのも、そうした人材は組織から離れると新たな知見を得たり、新たな人脈を築くのが難しくなる。そこで例えばコミュニティメンバー自身を講師とする、テクノロジーやノウハウ伝授のセミナー(オンライン、オフライン)を実施し、コミュニティのメンバーが知識・情報・人脈を常にアップデートできるようにする。必要に応じて外部講師を招聘し、また企業SNSのようなツールも活用する。良く言えば、「個々のメンバーが自由に活動しながらも相互に交流し、協力し合うバーチャルな組織」というイメージだ。

 もう一つは、一般企業からの案件や仕事の獲得である。デジタル化方針やIT戦略、既存システム刷新、営業/マーケティングシステム構想、プロジェクト運営など、IT・デジタルに関わる案件は多岐にわたる。それをヒアリングし、最適と思われるアドバイザーをアサインする。属人性を排除するためアドバイザーは原則3人で務め、料金は活動時間を20~30時間/月とした場合、月額で30~40万円程度に設定している。

 この料金でできるのかと思えるが、①アドバイザリー業務が主務で詳細設計やコーディングはしない、②アドバイザーはIT企業などのOB人材であり金銭的な報酬を強く求める必要がない、③効率的に仕事を進めるためにオンサイト以上にオンラインを重視している、などからこの水準にできたという。といっても「安かろう悪かろう」では意味がないし、退職後に趣味的に仕事をするのも問題だ。この点について「IT企業のOBなのでビジネスマナーはきちんとしているし、成果志向も強いと自負している。当然、メンバーはしっかりと選ぶ」(同社)。

●Next:アドバイザーとして名を連ねているメンバーとは?

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