[市場動向]

Azure管理画面からSQL DBを他社クラウドやKubernetesに展開して管理─マイクロソフト

2020年12月1日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日本マイクロソフトは2020年12月1日、説明会を開き、年次コンファレンス「Microsoft Ignite 2020」(2020年9月22日~25日開催)で発表した内容のうち、Microsoft Azure関連の新機能をいくつか紹介した。なお同社はIgnite 2020の発表内容をウェビナー形式で紹介する特設サイト「Microsoft Ignite Recap Day 2020」を同年11月20日に公開している。

 マイクロソフトの「Azure Arc」は、オンプレミス環境や他社クラウド環境を含めたハイブリッド/マルチクラウド環境をAzureの管理ポータルを介して管理できるようにするサービスである。例えば、AWS(Amazon Web Services)の仮想サーバーをAzure上の仮想サーバーと同様に管理できる。現在、仮想サーバーの資産管理、課金管理、死活監視などができる「Azure Arc enabled servers」の一般提供が始まっている。

 マイクロソフトは今回、Azure Arcの機能強化として、データベースサーバーをハイブリッド/マルチクラウド環境に展開できるサービス「Azure Arc Enabled data Services(SQL Managed Instance/PostgreSQL Hyperscale)を公開した。また、コンテナ運用基盤であるKubernetesをAzure管理ポータルから管理できる「Azure Arc enabled Kubernetes」もプレビュー公開した(図1)。

図1:データベースサーバーをハイブリッド/マルチクラウド環境に展開できる「Azure Arc Enabled data Servicesと、コンテナ運用基盤のKubernetesをAzure管理ポータルから管理できる「Azure Arc enabled Kubernetes」をプレビュー公開した(出典:日本マイクロソフト)図1:データベースサーバーをハイブリッド/マルチクラウド環境に展開できる「Azure Arc Enabled data Servicesと、コンテナ運用基盤のKubernetesをAzure管理ポータルから管理できる「Azure Arc enabled Kubernetes」をプレビュー公開した(出典:日本マイクロソフト)
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画像認識AIでは日本語のOCRが可能に

 画像認識AI機能「Computer Vision」の強化もプレビュー公開した。

 まず、OCR(光学文字認識)機能では、日本語を認識できるようにした(図2)。複数言語が混在した状態でもOCR処理ができる。画像が写っている角度も自動で判断して正しく文字を読み取れるとしている。

図2:画像認識AI機能「Computer Vision」において、OCR(光学文字認識)機能を強化し、日本語を認識できるようにした(出典:日本マイクロソフト)図2:画像認識AI機能「Computer Vision」において、OCR(光学文字認識)機能を強化し、日本語を認識できるようにした(出典:日本マイクロソフト)
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 OCR機能は、クラウド上のWeb APIのほか、コンテナ型でも利用できる。これにより例えば、Azure Stack Edgeを利用したエッジコンピューティング環境にOCR機能のコンテナを展開できる。写真画像をクラウドに転送することなく、エッジ側のローカル環境でOCR処理ができる。

 画像認識AIでは、「Spatial Analysis」(空間分析)の機能もプレビュー公開した(図3)。監視カメラ映像などをリアルタイムで監視し、人と人の間隔や、特定のエリアへの出入りといった、物理的空間における関係性を検出できる。コンテナで提供するので、エッジコンピューティング環境などで動作させられる。

図3:画像認識AIでは、「Spatial Analysis」(空間分析)の機能もプレビュー公開した(出典:日本マイクロソフト)図3:画像認識AIでは、「Spatial Analysis」(空間分析)の機能もプレビュー公開した(出典:日本マイクロソフト)
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●Next:VoIPやチャットなどの機能をアプリケーションに組み込めるサービス

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