三井化学と日本IBMは2020年12月14日、太陽光発電量をAIで予測する新サービスを共同で開発したと発表した。2021年度中にサービスを開始することを目標としている。IBMのグループ企業であるThe Weather Company(TWC)の天候データを活用する。
三井化学と日本IBMは、両社のデータやノウハウを生かし、世界各地の日射量を高い精度で算出する技術を開発し、精度を検証した。さらに、新たなサービス事業として、未来の日射量と太陽光発電量を予測するサービスのプロトタイプを開発し、販売展開計画を作成した(図1)。
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天候データは、2016年にIBMのグループ企業となった気象情報サービス会社のThe Weather Company(TWC)が提供する。日本IBM内に「アジア太平洋気象予報センター」を設置しており、気象予報士が24時間365日常駐して、企業向けの気象データをクラウドサービスで提供している。
TWCは、AIを活用して、500メートルメッシュという狭い範囲のデータを、15分ごとに更新し、最大15日先まで収集している。APIを介して、気温や降水量、風向・風速、気圧などの一般的な項目のほか、直達日射量、体感温度、雲量などの情報について、予報、現況、過去データを提供している。
三井化学と日本IBMは今後、各種の気象パラメータと地理地形データを分析する基盤「IBM Weather Operations Center」(TWCが提供)を利用し、三井化学が持つ太陽光発電所の発電量に関わるデータをAIに学習させる。
これにより、日射量と太陽光発電量の未来予測モデルを開発し、発電量未来予測・需要未来予測などのサービスを提供・販売していく。新サービスの提供開始は2021年度中を目標とする。