日本オラクルは2021年1月14日、データベース管理システム(DBMS)の新バージョン「Oracle Database 21c」をOracle Cloud上で提供開始したと発表した。新版では、不揮発性メモリーへのデータ格納、データベース内で使えるJavaScript、などの新機能を追加した。米Oracleが同年1月13日に発表した内容を発表した。
日本オラクルの「Oracle Database 21c」は、不揮発性メモリーへのデータ格納やデータベース内で使えるJavaScriptなど、200を超える強化が施された最新バージョンである。
オラクルは、Oracle Database 21cを、Oracle Cloud Database Serviceの仮想マシン(Oracle RAC用/シングルインスタンス用)またはベアメタルサービス(シングルインスタンス用)としてOracle Cloudより提供する。また、Oracle Exadata、Linux、Windowsの各プラットフォームに対応したオンプレミス版のリリースを2021年内に予定している。
オラクルは主な強化点として、以下を挙げている。
インテルの大容量不揮発性メモリーであるIntel Optane Persistent Memoryをサポートし、データやトランザクションログを格納できるようにした。これにより、I/O性能が向上し、大規模なキャッシュが不要になる。
Oracle Database内でJavaScriptのコードスニペットを実行できるようにした。これにより、データをアプリケーション層やブラウザに転送させることなく、短い処理タスクをJavaScriptで簡単に表現し実行できるようになった。
データベース内でマシンラーニング(機械学習)を活用できる機能を強化した。ライブラリを拡充し、異常検出、回帰、ディープラーニング(深層学習)分析用のアルゴリズムを追加した。
JSONデータ型を利用できるようにした。スキャンが最大で10倍、アップデート処理が最大で4倍高速になる。Oracle SQL/JSONは、YCSBベンチマークにおいてMongoDBやAWS DocumentDBと比較して2倍高速になったとしている。
ブロックチェーン表(Blockchain Tables)をサポートした。オラクルの「Crypto-Secure Data Management」の一部であるブロックチェーン表は、行を暗号化した上で連結した、変更不可能な挿入専用のテーブルを提供し、Oracle Databaseに、データ改竄を検出/防止機能を直接実装している(図1)。