[市場動向]

SAS Viyaを“クラウドネイティブ化”、「分析基盤のクラウドシフト」がもたらすもの

2021年1月26日(火)鈴木 恭子(ITジャーナリスト)

統計解析/アナリティクスベンダーの米SAS Instituteがクラウドソリューションへの注力を強めている。現行主力製品の「SAS Viya 4」を含むSAS CloudソリューションとMicrosoft Azureとの連携を強化し、ユーザー側で加速するクラウドシフトの動きに応えようとしている。現在のSASは、どのような戦略をもって日本国内のユーザーに「分析のクラウドシフト」の価値を提供しようとしているのか。同社の発表やSAS Institute Japanへの取材を基に整理してみる。

SAS CloudとMicrosoft Azureの連携強化

 2020年6月、米SAS Instituteは同社のプライベートコンファレンス「SAS Global Forum 2020」の会期中、米マイクロソフトとのパートナーシップ締結を発表し、「Microsoft Azure」がSAS Cloudソリューションの推奨プラットフォームに位置づけた(図1)。

図1:SASはクラウドソリューションに軸足を移し、Microsoft Azureが推奨プラットフォームとして位置づけられている(出典:SAS Institute Japan)
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 オフィススイートの「Microsoft 365」やCRMアプリケーションの「Microsoft Dynamics365」、ローコード開発ツールの「Microsoft Power Platform」といったマイクロソフト/Azureのクラウド製品群との連携が図られている。また、データ分析/AIプラットフォームの現行バージョン「SAS Viya 4」は、Azure Marketplaceから提供される。さらに今後、SASの業務特化ソリューションとAzureが提供する各種サービスとの統合も進めていく計画だという。

 こうして、SASはアナリティクスのクラウド化に本腰を入れている。日本国内のユーザーに向けたメッセージアウトとして、SAS Institute Japanは2020年11月開催の「SAS FORUM JAPAN 2020」のゲストスピーカーに、日本マイクロソフト 代表取締役社長の吉田仁志氏を招いた。2015年までSAS Institute Japanの社長を務めていた吉田氏は、両社の提携の意義と顧客にもたらすメリットを訴えた。「SASアナリティクスの基盤を、世界中で利用できるAzureプラットフォームに移行することで、高度で複雑な分析を柔軟で、ハイパフォーマンスな環境で実行できるようになる」(吉田氏)

 かねてからSASは「分析の民主化」を掲げ、日常業務での分析の必要性を訴えている。吉田氏は今回のコロナ禍で日本のデータ活用の遅れを指摘したうえで、「今後はデータ駆動型の意思決定ができるようにする必要がある」と強調した。

 SASの“クラウド歴”は実のところ長い。すでに2000年から一部のツールをクラウド(SaaS)で提供しており、現在は日本を含む世界73カ国にクラウドの顧客を擁する。導入業種は製薬業界や金融を中心に、官公庁、流通小売、製造業など多岐にわたる。

 SAS Institute Japan 代表取締役社長の堀田徹哉氏(写真1)は、「マイクロソフトとの提携強化で、普段はオフィススイートを多用している業務担当者も、SASのソリューションを組み込んだアプリケーションを活用できるようになる。両社には顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させるという共通のビジョンがあり、今回のパートナーシップ締結はそれを具現化するものだ」と説明する。

写真1:SAS Institute Japan 代表取締役社長の堀田徹哉氏

●Next:Kubernetesベースで刷新されたViya 4がもたらすメリットは?

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