[新製品・サービス]
デジタルアーツ、PPAPをパスワードレス暗号化で代替、メールサーバーに専用オプションを追加
2021年1月27日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
デジタルアーツは2021年1月27日、パスワード付きZIPファイルによるファイル授受(PPAP)を代替できる製品として、クラウド型のメールセキュリティサービス「m-FILTER@Cloud」を強化した。新たに、オプション機能「脱ZIP暗号化運用」を用意した。これを使うと、添付ファイルをメールで送信する際に、パスワードレスで暗号化できる。このオプションの実態は、クラウド型のファイルセキュリティサービス「FinalCode@Cloud」の機能限定版であり、FinalCode@Cloudの低価格ライセンスに相当する。m-FILTER@CloudとFinalCode@Cloudを組み合わせて使う場合に、m-FILTER@Cloudを90%安価に利用できる。
デジタルアーツは今回、パスワード付きZIPファイルによるファイル授受(PPAP)を代替できる製品企画として、既存の2つのクラウドサービスを、以前よりも安価に組み合わせて利用できるようにした。ゲートウェイ型のメールセキュリティサービス「m-FILTER@Cloud」と、閲覧権限をリモート制御できるファイル暗号化サービス「FinalCode@Cloud」である。
これまでも、2つのクラウドサービス(m-FILTER@Cloudと、FinalCode@Cloud)を別個に契約して導入すれば、PPAPを代替する機能を利用できていた。今回、世間でPPAPの代替サービスの需要が高まっていることをを受けた形で、以前よりも安価に、これら2つのサービスを組み合わせて利用できるようにした。
ベースとなる製品、m-FILTER@Cloudは、クラウド型のメールセキュリティサービスである(関連記事:デジタルアーツ、メールセキュリティソフト「m-FILTER」新版、DMARC対応で送信ドメイン認証を強化)。既存のメールサーバーと組み合わせて使うメール中継サーバーであり、標的型攻撃対策や迷惑メール対策、誤送信対策などのメールセキュリティ機能を一通り提供する。
もう1つの製品、FinalCode@Cloudは、閲覧権限をリモート制御できるファイル暗号化サービスである(関連記事:デジタルアーツ、閲覧権限をリモート制御できるファイル暗号化ソフト「FinalCode」に新版)。ファイルを専用フォーマットに暗号化し、専用のビューアを介してしか閲覧できないようにする。閲覧権限を与えたユーザーに限って、ビューアでファイルを復号できる。閲覧権限はクラウド上のサーバーで動的に管理できる。
添付ファイルを自動でパスワードレス暗号化
メールセキュリティゲートウェイのm-FILTER@Cloudと、ファイル暗号化サーバーのFinalCode@Cloudを組み合わせると、添付ファイルを外部にメールで送信する際に、これを自動でFinalCode@Cloud形式に暗号化して送信できる(図1)。
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メールを受信した人は、閲覧権限さえあれば、FinalCode@Cloudの専用ビューアを使って内容を閲覧できる。PPAPにおけるメール送信時の課題である、メール受信者にパスワードを伝える必要がなくなる。誤ったあて先に送信した場合も、メール受信者はファイルを復号/閲覧できないため、情報が漏洩しない。
一方、メール受信時は、メールセキュリティゲートウェイのm-FILTER@Cloud単体で、PPAP対策ができている(関連記事:パスワード付きZIPも強制検査、デジタルアーツが「m-FILTER」のメール無害化機能を強化)。受信したメールにパスワード付きのZIPファイルが含まれていた場合は、メール受信者にパスワードの入力画面を案内し、メール受信者にパスワードを入力させてファイルを復号する(図2)。これにより、ファイルの中身を検閲できるようになる。
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デジタルアーツは今回、m-FILTER@Cloudのオプションとして、FinalCode@Cloudの低価格ライセンスを用意した。FinalCode@Cloudの機能をm-FILTER@Cloudとの組み合わせに限定することで、価格を下げて提供する。
具体的には、FinalCode@Cloudの限定機能を、1ユーザーあたり月額100円(税別、以下同)で提供する。これに対して、FinalCode@Cloudの標準価格は、ユーザー単価が最も高くなる最小ユーザー構成時(10~29ユーザー時)に、1ユーザーあたり年額1万2000円(月額1000円相当)。この場合、1ユーザーあたりの月額は90%引きになる。なお、m-FILTER@Cloudの価格は、1ユーザーあたり月額500円で、最小ユーザー構成は10ユーザーである。