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[IT Leaders Tech Strategy LIVE ローコードプラットフォーム]

withコロナ時代に求められるIT部門と業務部門の役割再定義〜内製化シフトを後押し、現場主導の改革を実現するkintone

2021年3月29日(月)

2021年2月25日、ライブ配信ウェビナー「IT Leaders Tech Strategy LIVE『ローコードプラットフォーム』の実力と最適解を探る」(主催:インプレス IT Leaders)が開催された。注目セッションの1つとして、サイボウズの木地谷 健介氏(営業戦略部 副部⻑)が登壇。「ローコードプラットフォーム『kintone』による内製化で業務改革を実現! 〜IT部門の戦略から事例まで徹底解説〜」と題して語った内容を紹介する。

グループウェアやチームワーク強化メソッドなどの開発・提供で知られるサイボウズ。多様な個性を生かしながら「チームワークあふれる社会を創る」ことをミッションとして掲げる同社は近年、ローコードプラットフォーム分野でも高い存在感を示している。

その中核となっているのが、1万8000社に採用される業務アプリ開発プラットフォームの「kintone(キントーン)」だ。営業の案件管理、問い合わせ履歴やクレーム対応の管理、プロジェクトの進捗やタスク管理、従業員の業務日報など、それぞれの企業の用途に合わせた業務アプリの作成が可能で、アプリケーションはノンプログラミングで開発できる。また、社内SNSのようなコミュニケーション機能を活用することで、スピーディな情報共有が可能になり、業務効率化を実現する。

ローコードプラットフォームとしての「kintone」

木地谷氏はセッションの冒頭で、kintoneのようなツールが求められる背景には、ITとビジネスの変化があると指摘した。「スマホやタブレット、SNSの普及といったITの進化に伴いビジネスも、店頭販売からネット販売へ、地道な訪問からオンラインを活用したスタイルへ、大量生産から個別受注生産型へと変化しています。ただし、ビジネスの変化の速度は上がっているにも関わらず、システムがその変化に応えられないなど、システムを巡る課題はより複雑さを増しています」と木地谷氏は強調する。

サイボウズの木地谷 健介氏(営業戦略部 副部⻑)

システムを巡る課題として筆頭に挙がるのは、個別最適化した業務システムや複雑に入り組んだ表計算ソフトが現場に密着していることや、レガシーな基幹システムが残っていることによって、新しい要件に対応しにくくなっていることがある。また、システム改修の費用負担が高いことからシステム改修を見送り、その代わりに表計算ソフトなどで補うことになり、その結果、表計算ソフトにいつまでも依存している構図は、二重入力などの非効率な業務を随所で発生させている点でも看過はできない。

「ビジネスの変化に合わせて現場のニーズも刻々と変化し、不確実性が増しています。不確実性に対して、柔軟に変化できることがシステムにおいても何よりも重要になっているのです」(木地谷氏)。

IT部門と業務部門の役割を再定義し、確実な業務改革を

変化に柔軟に追随するシステムの具現化を、IT部門だけで対応するのは難しいのが現実だ。経営者や営業・製造・調達などの業務部門から寄せられるニーズは多岐にわたっており、人数の限られているIT部門がくまなくすべてに対応することができないという事情がある。

「国内のIT人材は慢性的な不足が深刻化しており、2015年に15万人が足りないと言われていたものが、2025年には43万人にまで拡大すると予測されています。そうした状況下で重要なのは、IT部門と業務部門の役割を再定義すること、そして、それを可能にするソリューションなのです」(木地谷氏)。

業務部門のニーズを一方的にIT部門に伝えて開発を依頼するのが、従来の一般的な姿だった。現場は「コストを下げたい」「売上を増やしたい」「今のやり方は変えたくない」など自らの都合を優先するし、IT部門は実務経験がないので業務を正確に把握できるとは限らない。ボタンの掛け違いがどうしても起こりやすいのだ。

「変化に柔軟に対応するためには、業務部門が主体となって、現場が欲しいものを現場で作るという体制を整えていくことが重要です。IT部門は、その仕組みを提供し、活用を支援しくのです。IT部門と業務部門がこうしたそれぞれの役割を担いながら、組織として業務改革を進められるようにするのが、あるべき姿ではないでしょうか」と木地谷氏は視聴者に訴えた。

システムを業務部門が作り、IT部門がそれを支援する体制へ
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これからも続々と必要となるシステム開発においては、業務部門を主体とした内製化を推進し、IT部門がそれらをサポートする。何よりもシステムをスピーディーに立ち上げたり手直ししたりすることで、ビジネス環境の変化に即応することを最優先するわけだ。

こうした場面で役立つのがkintoneだ。例えば、営業担当者の案件管理システムや、建設工事の進捗を共有するシステムなど、実務密着型の仕組みを、現場担当者だけで簡単に構築することができるという。「kintoneは、現場がほしい業務システムを誰でも簡単にデザインできるクラウドサービス。紙や表計算ソフトで業務を回さざるを得ないというストレスを解消し、確実に業務改善を進められることに価値があります」(木地谷氏)。

スピーディーな業務改善を支援するkintoneの特長
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現場主導の改善サイクルをIT部門が後方支援

kintoneは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた自治体の対策本部でも活用された。例えば、神奈川県では、感染患者数・PCR検査数、医療機関の稼働状況、医療機器や医療資材、帰国者・接触者相談センター対応状況など、全病院からkintoneで素早く情報を集め、分析し、策を講じることを手厚く支援した。

また、ペーパーレス化や脱ハンコの取り組みが活発化するなかで、デジタル化やDX推進のための内製化ツールとして活用されるケースも増えているという。「東証1部上場企業の5社に1社が導入済みで、製造から流通、サービス、金融、建設、医療など、幅広い業種・業態で活用いただいています。導入担当者の82%が非IT部門です」と木地谷氏は話す。

大きな成果を挙げた例として紹介された一社が京王電鉄バスだ。同社は、個別最適な業務システムや複雑なエクセルシートが多数存在し、基幹システムも他との連携がとりにくいレガシーなものになっていた。また、運用保守の負担が大きく、業務改善に手が回らない状況だった。そこで、kintoneをローコードプラットフォームとして採用し、IT部門と業務部門が連携して、さまざまなシステムの内製化に取り組んだ。

「ポイントは、経営層にローコードプラットフォームの利点を正しく伝えたことと、効果を発揮しやすい業務から取り組んだことです。また、打ち合わせの中でIT部門が業務をヒアリングしながら、業務部門の目の前でアプリを設計・構築するというアジャイルな『対面開発』を推進し、圧倒的なスピード感でアプリ開発を続々と進めていきました」(木地谷氏)。

ほか、日阪製作所では、kintoneを業務改革プラットフォームとしての位置づけで採用。業務部門が主体となってシステムを内製化し、PDCAを回しながら理想形に近づけていく仕組みを整えた。「サービス、品質保証、工務、営業など、20を超えるアプリを開発し、日々活用しています。業務部門主体での開発へシフトしているのが特徴的で、IT部門は現場主導でシステムの企画や開発をうまく進められるようにするためのサポート役に徹しています。これにより、会社全体としてシステム開発ができる総量を上げているのです」と木地谷氏。

このように、業務を熟知した現場が自らシステム開発をすることで機動力を身に付け始めた事例が続々と出てきているという。木地谷氏は「サイボウズが毎月開催している『IT部門から始まる業務改革セミナー(https://kintone.cybozu.co.jp/jp/josys_seminar/)』では、IT部門と業務部門の協調戦略の他に、実際にkintoneを活用してIT部門が業務改革を進めてきた取り組み事例なども紹介しています。地に足のついた情報を積極的に提供していますので、ぜひご参加ください」と講演を締めくくった。


●お問い合わせ先

サイボウズ株式会社

URL:https://kintone.cybozu.co.jp/

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