SAPジャパンは2021年4月13日、製造業によるデジタル化への取り組みをSAPジャパンが伴走型で支援するサービス「Industry 4.Now推進サービス」を開始した。計画を具体化・実装・活用し続ける道のりを、伴走して支援するとしている。課題の抽出と優先度の設定、ロードマップの定義、プロトタイプの検証、導入/継続的改善、の4つのステップで支援する。
SAPジャパンの「Industry 4.Now推進サービス」は、製造業によるデジタル化への取り組みを支援するサービスである。デジタル化の計画を具体化し、実装し、活用し続ける道のりを、SAPジャパンがユーザー(製造業)に伴走する形で支援するとしている(図1)。
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4つのステップで支援する。(1)課題の抽出と優先度の設定、(2)ロードマップの定義、(3)プロトタイプの検証、(4)導入/継続的改善、である。
(1)課題の抽出と優先度の設定では、50項目のアセスメントシートを使ってデジタル化の成熟度を評価する。評価に基づいて改善の機会を深堀りし、最初に着手すべきテーマを決定するなど、今後の方針や進め方を確認する。グローバルでは、成熟度評価はセルフサービスとして提供しているが、日本では評価段階からSAPジャパンがユーザーとともに実施する。
(2)ロードマップの定義では、ロードマップを策定してプロトタイプを計画して準備する。改善テーマを実現する上で必要になる構成要素を明らかにし、改善のロードマップを作成する。
(3)プロトタイプの検証では、改善テーマを実現する上で必要な構成要素について、実現性をプロトタイプで実証する。ロードマップの妥当性を確認する。
(4)導入/継続的改善では、ロードマップに基づき、必要な構成要素を順次実装する。SIベンダー主体で導入する場合は、第3段階までにおける知識の移行を適切に行うなどして、適した方法で導入を進められるように支援する。
なお、SAPジャパンは2020年9月、製造業のデジタル化を支援する組織「Industry 4.Now HUB TOKYO」を設立している。その背景として同社は、製造業をデジタル化する取り組みの多くがPoC(概念検証)の段階にとどまっていたり、取り組みが製造現場に閉ざされていたりする状況を挙げる(関連記事:SAPジャパン、製造業のデジタル化を支援する組織「Industry 4.Now HUB TOKYO」を設立)。
「Industry 4.Now HUB TOKYOの設立によってユーザーは、デジタル化のイメージを描けるようになった。しかし、まだ不十分であり、何から手を付ければよいか分からないといった課題も顕在化してきた。これを解消するために今回、伴走型でデジタル化を支援するサービスを商品化した」(同社)