トヨタ自動車は、設計開発部門で使う3次元CADワークステーションをVDI(デスクトップ仮想化基盤)システムに置き換えた。GPUを搭載していない在宅勤務のノートPCでもCADアプリケーションを利用できるようにした。VDIシステムは100台のHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)で構築し、2300台の仮想マシンを収容する。HCIを提供したレノボ・エンタープライズ・ソリューションズが2021年6月8日に発表した。
トヨタ自動車は、設計開発部門で使う3次元CADワークステーションを、VDI(デスクトップ仮想化基盤)システムに置き換えた。GPUを搭載していない在宅勤務のノートPCでもCADアプリケーションを利用できるようにした。
GPUによる3次元CADの描画や処理をサーバー側で実行し、シンクライアント端末(在宅勤務のノートPC)には描画済みの画像だけをリモートデスクトップの画面イメージとして表示する。
トヨタは2016年から、事務系と技術系を問わず、在宅勤務を推奨している。しかし、設計開発部門は3次元CADソフトウェアを使うことから、オフィスに設置した高性能ワークステーションの利用が不可欠だった。在宅勤務は困難だと考えられていた。
こうした経緯から、2019年にVDIシステムを導入した。NVIDIA製GPUを搭載したHCIアプライアンス「Lenovo ThinkAgile HXシリーズ」を100台導入し、2300台の仮想マシンを動作させている。HCIのソフトウェアは米Nutanix製である。
トヨタは今後も、物理ワークステーションのVDIへの置き換えを推進する。さらに、他のトヨタグループ企業にも同様の仕組みを展開していく予定である。将来的には、処理負荷が高いCAEアプリケーションをVDI上で利用できる環境を構築する。