Lazuliは2021年8月3日、商品情報を一括して管理し、活用しやすい形に整理するPDP(Product Data Platform:製品データ基盤)「Lazuli PDP」のラインアップを拡充した。食品飲料業界向けのSaaS「Lazuli PDP for F&B(Food and Beverage)」を追加している。EC事業者が情報を商品データに追加したり、商品情報を名寄せしたりといったデータの加工・整備作業をAIで省力化する。
Lazuliの「Lazuli PDP」は、複数の外部データベースに分散した商品情報の一括管理や、データの整理・拡張を行うPDP(Product Data Platform:製品データ基盤)である。メーカーや小売業者、製薬業者などが保有する多様な商品マスターデータを、AIを活用して名寄せし、効能や製品の特徴からメタタグの付与や関連付けを行う(図1)。
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今回提供を開始した「Lazuli PDP for F&B」は、食品メーカーや飲料メーカー、また食品や飲料のデータを分析する企業などに向けたSaaSである(図2)。食品、飲料の商品情報に関する名寄せ、正規化、特徴などの情報の付与といった作業を行える。顧客データの分析やEC販売などの業務を支援する。
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Lazuli PDP for F&Bの導入にあたっては、案件の内容や規模にもよるが、ユーザーの要件に合わせたシステムの整備や機能の開発などで、1カ月程度からの導入期間が必要になる。導入後は、日々の運用においてデータをクラウドに投入し、AIで名寄せや加工といった処理を実施し、加工後のデータをダウンロードできる。
同社によると、すでに複数の大手企業がLazuli PDP for F&BのPoC(概念検証)を進めており、2021年後半には、大手食品加工・卸、および飲料メーカーが導入する予定。Lazuliは、Lazuli PDP for F&Bの販売目標として、2021年内に5社の導入を目指している。
サービス投入の背景としてLazuliは、商品が製造、流通、販売される中で、企業間や企業内において、商品に関するデータがスムーズに同期されていないという課題を挙げる。
「食品、飲料業界では、多くの企業が、マーケティングデータの分析やオンラインビジネスの推進、AIの活用などに取り組んでいる。この中で必要になるのが、商品情報の入手、名寄せ、分析に必要な追加情報の生成である。一方で、こうした作業は、多くの人手をかけて維持・更新しなければならない。商品情報を実際に分析やECに活用できる形にするには、労働集約的に対応するか、諦めるしかない。この問題を、Lazuli PDPが解消する」(同社)